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似す
「似す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
似すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
日は早月親佐を仙台には無くてはならぬ名物の一つにしてしまった。性質が母親とどこか
似すぎているためか、似たように見えて一調子違っているためか、それとも自分を慎むた....
「星座」より 著者:有島武郎
の女を意識に上せて座興にしようとしている人見の軽薄さにはまったく腹が立った。第一
似すぎるほど似ているのが癪《しゃく》に障《さわ》った。
「けれどもだ、まったくう....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
る。いま仮りに同意義の語を欧洲語のうちに索めてみよう。まず英、独の両語でこれに類
似するものは、ほとんど悉《ことごと》くフランス語の借用に基づいている。しからばフ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
超越的唯心論と異なり、むしろシェリングのいわゆる das Absolute に類
似するところであって氏はこれを明言している。 元来精神と自然と二種の実在がある....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
がものを云うと、その通り、縁の下で口真似をする奴がある。村中が寄って集って、口真
似するは何ものじゃ。狐か、と聞くと、違う。と答える。狸か、違う、獺か、違う、魔か....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
ばらく逡巡す。画工の機嫌よげなるを見るより、一人は、画工の背を抱いて、凧を煽る真
似す。一人は駈出して距離を取る。その一人。 小児三 やあ、大凧だい、一人じゃ重い....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
で、幽に、はあい……」と可哀な声。 「変な声だあ。」 と頭は棒を揺って震える真
似する。 「この方、総入歯で、若い娘の仮声だちね。いえさ、したが何となく返事をし....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
て、ともすれば屹となりて居直りて足を構え、手拍子打ち、扇を揚げて、演劇の物語の真
似するがいと巧なれば、皆おかしがりて、さは渾名して囃せるなり。 真似の上手なる....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
手になってはいられなかった。中にはドュフランの調子外れのラ――ラ――ラ――を口真
似するものさえあった。 「駄目かね、それじゃどうするのだ。」 ドュフランは少し....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
のことであろうが、左と右、右と左といった具合に、双生児の各半面が相手の反対側に酷
似することである。 画中では、それが頭の渦にも、利手にも顔の歪みにもあったので....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
のいろいろな機会に恵まれて、一躍スターになったような俳優が、サラ・ベルナァルを真
似すれば、それは滑稽以上のものではない。周囲のものは、蔭で舌を出して笑っているこ....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
きたや ゴメゴメと声高らかに歌う子も 歌わるるゴメも共に可愛や カッコウと鳴く真
似すればカッコウ鳥 カアカアコウとどまついて鳴く 迷児をカッコウカッコウと呼びな....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
風色に富みたる良港なり。湾形はシドニーを小規模にしたるものにして、わが長崎港に類
似す。背後の高山は大岩石、中空にかかり、一見わが豊後玖珠郡内の岩扇山に似たり。人....
「四つの都」より 著者:織田作之助
…驚いたわ、いきなり物を言ったりして。尾行して来たのね。探偵や新聞記者みたいな真
似するの、およしなさい」 十吉(厳粛に、しかし稍や悲しそうに)「処が、僕は新聞記....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
器の発達により正面堅固の度を増すに従い、戦闘正面の拡大を来たし逐次、横隊戦術に近
似するに至れり。欧州大戦初期に於けるドイツ軍のフランス侵入方法は、ロイテン会戦指....