似せる[語句情報] »
似せる
「似せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
似せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
の顔を写した者には違いない、人間業で秀子の顔を、他の品物へ写すとすれば是より上に
似せる事は到底出来ぬ。
けれど、何が為に秀子の顔形が人殺しの牢死人輪田夏子の顔....
「自画像」より 著者:寺田寅彦
でこれは調子がいいと思って多少気乗りがして来た。そしてだんだんに細かく筆を使って
似せるほうと色の調子とに気を配り始めるとそろそろむつかしくなる事が予覚されるよう....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ルだとかを、暗殺者はよく持っているが、そんな風なものにちがいない、そういう物品に
似せるためには、どうしても弾丸の口径を細くしなければならない。自然、火薬も少量し....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ある。南宋画が北画に対して起った原因と丁度近代絵画が湧出した事とは、頗るそれも類
似せる事を私は感じるのである。しかもその技法と精神においても、その単化と個人的で....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
に、せっせと鉄筆を走らせていた。 「いよう!」と、スクルージは成るたけ平素の声に
似せるようにして唸った。「どう云う積りで君は今時分ここへやって来たのかね。」 「....
「探偵小説を截る」より 著者:坂口安吾
を打破することに主点がおかれているものだ。探偵小説ときてはアベコベで、先人の型に
似せることを第一義としている。お手本がなければ、どうにもならず、お手本のクダラナ....
「山の神殺人」より 著者:坂口安吾
は書いた覚えがないと云った。 「チョイト、旦那。この手紙は男の手だわね。女の手に
似せるために、わざとヘナチョコに曲げて書いたのよ。私はね。カツギ屋渡世はしてます....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
は松之助の似顔絵が上手になり、友だちなどに見せて得意になつていた。 似顔をよく
似せるために私は松之助の写真について顔の各部を細かく分析して研究したが、彼の眼が....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
トンの説くものが日本犬の形に似ているのは偶然でないように思う。 犬屋は純粋種に
似せることを目的にしているから、私が本当のことを書くと困るのだけれども、規格とか....
「米国巡回文庫起源及び発達」より 著者:佐野友三郎
からざる成績を得たり。今、ニユーヨーク巡回文庫その他の組織中、共通または著しく近
似せる点を挙くれば左のごとし。 一、選択せる二十五、三十、五十または百冊をもって....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
会主は佐瀬技師と相談の上八万円で引受けたのであった。日本紳士は、「どの位の程度迄
似せる事が出来るか」と聞いたので、佐瀬は、「どうしても品が落ちますから、専門家に....
「迷信解」より 著者:井上円了
世の天狗憑きに関する話の往々一致することあるは、みなこの道理より起こり、互いに類
似せる記憶を再現するゆえである。ただし、義経が天狗より剣術を授かりし話のごときは....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
日本の花火はこれが進化したるものにはあらざるべきか、その他衣食住において日本に類
似せる点多く、さすが昔は東洋文明の卸元たりし面影どこかに残りをり候―― 天晴東....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ゃお前達は智慧が足りないんだ。世には如来によう似た悪魔がある。悪魔ほど如来によう
似せるものだ。釈迦牟尼如来より第五代目の優婆掬多尊者は、仏滅後に生れた方で全く仏....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なのを二人と天へ連れては行かぬ。
歌に歌おうとしても及ばぬ。
石に彫ろうとしても
似せることは出来ぬ。
ファウスト
なる程塑造家が随分骨を折りますが、
ど....