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「似通う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

似通うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
》を降りて行った。葉子はちらっと叔母の後ろ姿を見送って驚いた。今の今までどことて似通う所の見えなかった叔母も、その姉なる葉子の母の着物を帯まで借りて着込んでいる....
富士」より 著者:岡本かの子
体の凸所を撫でまわす。肩尖、膝頭、臀部、あたま――翁の眼中、一々、その凸所の形に似通う山の姿が触覚より視覚へ通じ影像となって浮んで来た。 山処《やまと》の ひ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
わるじゃろうと存じましたゆえ、悪いこととは知りながら、その姉娘に入れ知恵つけて、似通うた年ごろの子を見つけさせ、こっそり盗み出させたのでござります。それもこれも....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。「お師匠さま、お師匠さま」と言って慕って来るこれらの教え子の書体までが自分のに似通うのを見るたびに、半蔵は東京の方にある和助のことをよく思い出すのであった。 ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
りしたりする。三疋も四疋も出て居ることがある。百日紅の枝其ものが滑っこく蛇の膚に似通うて居るので、蛇も居心地がよいのであろう。其下を通ると、あまり好い気もちはせ....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
することを遠慮しないだろう。」 始め新吉も女を見るにつけ、どの女からもおみちに似通うところを見付けて一つは旅愁を慰めもし、一つは強い仏蘭西女の魅力に抵抗しよう....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
て何もなかった、それがあまりに朝はやく起きて見たが、喰う物も何もないのと、どこか似通うところがあった。 彼等は、幽霊とスクルージとは、見附けの廊下を横切って、....
わかれ」より 著者:国木田独歩
人ならば鬱陶しとのみ思わんも、かれは然らず、かれが今の心のさまとこの朝の景色とは似通う節あり、霧立ち迷うておぼろにかすむ森のさまは哀れに物悲し、これ恋なり。され....
芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
して悲惨なる目に遭《あ》い、改心するまでを詠《よ》んだもので、鎌子夫人の身の上に似通う点があるから面白い――と言っている。面白いという言辞はかなしい。 いざふ....
印度の詩人」より 著者:国枝史郎
ういう、具体性がなかった。 彼の戯曲も、その素朴の構成などは、アイルランド劇に似通うものがあって好感は持てたがあまりに迫力に乏しく、とらえどころのないという点....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
あるが、実際はそうでなかったのである。全然同じ話というわけではないが、これとほぼ似通うた話は、郭公についても語られている。たとえば甲州の精進湖に近い山村では、カ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
持というものがあった。歌仙百韻の席に列なるほどの者は、かねて経歴と心境との互いに似通うたものが有ったうえに、改めて感興の統一によって、鋭敏に仲間の心持を理解し得....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
く、同じ一つの国の人である以上は、どんなに離れて年久しく住んでいようとも、やはり似通うたことをしていたのだったと、やっとこのごろになって少しずつ、私たちは心づき....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
間にかこんな歌がはいっていて、しかもその歌のこしらえかたが、伊豆の物搗歌などとも似通うていることである。京都をはじめとし、京と鎌倉との中間地帯にも、おなじ歌はま....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
うで、また御霊会の風俗踊りに加わって前棒を勤めたのは、田楽法師・鉢叩き・鉦打にも似通うところがある。 今北国で活動している越前万歳は自らショウモンジといってい....