似非[語句情報] »
似非
「似非〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
似非の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
説に非ず)の影響が多分に底流になっていることと思うが、英米の所謂ブルジョアジイの
似非《えせ》偽善的な紳士道徳の影響もかなり混っていることであろう。一言にしていえ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ならんと云われている。
「いや、それはいずれまた聴くとして」と慌てて検事は、
似非史家法水の長広舌を遮ったが、依然半信半疑の態で相手を瞶めている。「なるほど、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
うだろうとも。美しいと思ったのは、すなわち恋した事だからね。そうでないという奴は
似非道徳屋……」
「……ソ……そんな乱暴な……セ……先生……誤解です……」
と....
「誰のために」より 著者:宮本百合子
封建的な社会の雰囲気と、知識人たる自覚を放棄した一民衆としての忍苦しかなかった。
似非《えせ》学者、
似非作家、
似非インテリゲンツィアの恥知らずな戦争協力にたいして....
「「女らしさ」とは何か」より 著者:与謝野晶子
来を透察することにも臆病であるのです。そういう人たちは保守主義者の中にもあれば、
似非進歩主義者の中にもあるかと思います。 私のおりおり顰蹙することは、その人た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と感じたものもありました。 何か趣向をしておいて、アッと言わせるということは、
似非《えせ》茶人や
似非通人のよくやりたがることであります。神尾は人を招いた時は、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こちょいどもがいい気になって新しがる。それを金助の説として聞かないで、その当時の
似非《えせ》文化者流の言葉として聞いて神尾が、冷笑悪罵となったのを、金公少々ムキ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、という心持を、さすがに佐藤一斎先生がお詠みになりました。それは負け惜しみでも、
似非風流《えせふうりゅう》でもございません、太公望様それ自身の本心なのでございま....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
と余り云わるるのでちょっともっともらしい事を云ってみたまでの事じゃ。十把一搦げの
似非哲学が宇宙には似つかわしいように、グレンジル城には、十把一搦げの
似非推量が似....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
んにも言わなかったが、よその人は一目見るとまずその辮子について研究し始め、それが
似非物《にせもの》であると知るや、すぐに冷笑を浴せかけ、わたしを断頭の罪名に当て....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
山に収集されていて、それがまたこの随筆集中の最も面白い部分をなしているのである。
似非風流や半可通やスノビズムの滑稽、あまりに興多からんことを求めて却って興をさま....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に、はらはらと消し、真白い手を、衝と掉って押退けるようにしたのです。芋を石にする
似非大師、むか腹を立って、洗濯もの黒くなれと、真黒に呪詛って出た!…… (ああ、....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
至りて慨然と嘆息し「小山君、君も知っている通り僕は平生風流亡国論を唱えて日本人の
似非《えせ》風流は亡国の基《もとい》と主張するが玉子の話についてもいよいよその事....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
えることを考えて、己れは隠者という名義をもって財産を集めるところの手段にして居る
似非坊主が沢山あるものですから、もしやそういう奴ではあるまいかと案じられてその夜....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
だ読書がしたいというのは何のために読書するのでしょう。つまり恋愛小説を読むとか、
似非《えせ》風流に耽《ふけ》るとか、女学生の口真似《くちまね》をすれば我が理想を....