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伽藍
「伽藍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伽藍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、今では、越《こし》の国の人が見るという蜃気楼《かいやぐら》のように、塔の九輪や
伽藍《がらん》の屋根を、おぼつかなく光らせながら、ほのかな明るみと影との中に、あ....
「春」より 著者:芥川竜之介
きょう》も制服の上に狐色《きつねいろ》になったクレヴァア・ネットをひっかけ、この
伽藍《がらん》に似た部屋の中をぶらぶら一人《ひとり》歩いていた。広子は彼の姿を見....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
の船も五六日は碇泊《ていはく》しますから、ぜひ見物にお出かけなさい。大学もあれば
伽藍《がらん》もあります。殊に市《いち》の立つ日は壮観ですよ。何しろ近海の島々か....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
のは三時ごろである。
鼠色《ねずみいろ》の壁と、不景気なガラス窓とに囲まれた、
伽藍《がらん》のような講堂には、何百人かの罹災民諸君が、雑然として、憔悴《しょう....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
まさら》行脚《あんぎゃ》もつまらない。紫《むらさき》の袈裟《けさ》をかけて、七堂
伽藍《しちどうがらん》に住んだところで何ほどのこともあるまい、活仏様《いきぼとけ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
め、板戸の戸棚にはめいめいの荷物が入れてあるらしかった。元来が一種の道場のような
伽藍洞《がらんどう》の建物であるから、別に半七の注意をひくようなものも見いだされ....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
の午後、ファウストは林檎を見ているうちに一枚の油画を思い出した。それはどこかの大
伽藍にあった、色彩の水々しい油画だった。従って林檎はこの時以来、彼には昔の「智慧....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
市役所も劇場もその前づらだけを残して、内部はことごとく頽れ落ちている。大きい寺も
伽藍堂になってしまって、正面の塔に据え付けてあるクリストの像が欠けて傾いている。....
「春昼」より 著者:泉鏡花
ましょう。此処からも見えます。この山の裾へかけまして、ずッとあの菜種畠の辺、七堂
伽藍建連なっておりましたそうで。書物にも見えますが、三浦郡の久能谷では、この岩殿....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
。 かくてこそ法師たるものの効はあろう。 世に、緋、紫、金襴、緞子を装うて、
伽藍に処すること、高家諸侯の如く、あるいは仏菩薩の玄関番として、衆俗を、受附で威....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
の初で、北国は早く涼風が立ますから、これが逗留の客と云う程の者もなく、二階も下も
伽藍堂、たまたまのお客は、難船が山の陰を見附けた心持でありますから。 「こっちへ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ない黄蘗風の仏殿として江戸時代から著名であった。この向島名物の一つに数えられた大
伽藍が松雲和尚の刻んだ捻華微笑の本尊や鉄牛血書の経巻やその他の寺宝と共に尽く灰と....
「西航日録」より 著者:井上円了
ゆ。当地には、新教改革の率先者ツウィングリ翁の遺跡あり。翁所住の寺は当所第一の大
伽藍なり。その傍らにツウィングリ広小路と名づくる所あり。 チューリヒ見物の帰路....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
り多くローマの噴水に就て語った。 この豊量に水に恵まれた都には、聖ピエトロ大|
伽藍前のピアッツアの噴水を中心にして、僧院にも市場にも全都に散在している。製作年....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ます。 青丹よし寧楽の都は咲く花の にほふがごとくいま盛りなり 奈良七重七堂
伽藍八重ざくら 前の和歌は当時を詠んだ古歌であります。後の俳句は徳川時代の俳人....