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伽藍堂
「伽藍堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
伽藍堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
のできないものと信じていた。自分が死んだ後《あと》、この孤独な母を、たった一人|
伽藍堂《がらんどう》のわが家に取り残すのもまた甚《はなは》だしい不安であった。そ....
「行人」より 著者:夏目漱石
なかった。時々|大一座《おおいちざ》でもあった時に使う二階はぶっ通しの大広間で、
伽藍堂《がらんどう》のような真中《まんなか》に立って、波を打った安畳を眺《なが》....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
ちにしゃべり出した。果せるかな家内のものは皆新宅へ荷物を片付《かたづけ》に行って
伽藍堂《がらんどう》の中に残るは我輩とペンばかりである。彼は立板に水を流すがごと....
「道草」より 著者:夏目漱石
がちらほらいた。空いた場所の畳だか薄縁《うすべり》だかが、黄色く光って、あたりを
伽藍堂《がらんどう》の如く淋《さび》しく見せた。彼は高い所にいた。其所で弁当を食....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
市役所も劇場もその前づらだけを残して、内部はことごとく頽れ落ちている。大きい寺も
伽藍堂になってしまって、正面の塔に据え付けてあるクリストの像が欠けて傾いている。....
「夜の靴」より 著者:横光利一
の日ざし、――昼顔の伸び悪い垣の愁い。 この村は平野をへだてた東羽黒と対立し、
伽藍堂塔三十五堂立ち並んだ西羽黒のむかしの跡だが、当時の殷盛をうかべた地表のさま....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
の初で、北国は早く涼風が立ますから、これが逗留の客と云う程の者もなく、二階も下も
伽藍堂、たまたまのお客は、難船が山の陰を見附けた心持でありますから。 「こっちへ....
「ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
市役所も劇場もその前づらだけを残して、内部はことごとく頽れ落ちている。大きい寺も
伽藍堂になってしまって、正面の塔に据え付けてあるクリストの像が欠けて傾いている。....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
いたるペンは直ちに饒舌り出した。果せるかな家内のものは皆新宅へ荷物を方付に行って
伽藍堂の中に残るは我輩とペンばかりである。彼は立板に水を流すが如く※々十五分間ば....