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佃煮
「佃煮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
佃煮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
憎まれる方がおれはうれしいよ。好かれるためなら、何も二百万円君に貸すもんか。女は
佃煮にするくらいいる。東京では紅茶一杯の女もいるということやが、女の地位は上った....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
台無しだと思いながら、豹一は赤井のあとについて、隅のテーブルに腰掛けた。たにしの
佃煮と銚子が来ると、赤井は、 「君飲めるだろう?」と、盞を渡した。 「うむ」と曖....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
といえども、この俺より強い者に一人も出会わなかったとは、はてさて弱い奴ばかしが、
佃煮にするほどおったものだわい」 と、歩き方も変って来たが、しかし、帰りの道を....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
今日から一日を五十円以下で済まそうと思ってるのよ。朝は番茶とパン、おひるは漬物と
佃煮、夜は一日おきに蒲ぼことちくわ」 叔母はそう云ってからから笑いました。この....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
。晴。寒暖計八十二度(午后三時) 未明ニ家人ヲ起シテ便通アリ。朝。ヌク飯三ワン。
佃煮。ナラ漬。胡桃飴煮。便通及繃帯トリカヘ。腹|猶張ル心持アリ。牛乳五合ココア入....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
ど軒並みに瀬戸物屋で、私の奉公した家は、平野町通りから二三軒南へはいった西側の、
佃煮屋の隣りでした。 私は木綿の厚司に白い紐の前掛をつけさせられ、朝はお粥に香....
「髪」より 著者:織田作之助
義に忠実な所以だとしている阿呆であった。 この阿呆をはじめとして、私の周囲には
佃煮にするくらい阿呆が多かった。就中、法科志望の点取虫の多いのには、げっそりさせ....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
まい)そして、見つけたのは「武田麟太郎三月卅一日朝急逝す」 死んでもいい人間が
佃煮にするくらいいるのに、こんな人が死んでしまうなんて、一体どうしたことであろう....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
よこされましたが、お好きでしたか、どうですか。母は自分の好物だといって、葉蕃椒の
佃煮などを送られましたが、きっとその方がよかったでしょう。 漬物もよく上りまし....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
いった方がいいくらいだ。しかし、耳かきですくうような、ちっぽけな出来事でも、世に
佃煮にするくらい多い所謂大事件よりも、はるかにニュース的価値のある場合もあろう。....
「京都のごりの茶漬け」より 著者:北大路魯山人
美味さが想像できるだろう。従って値段も高い。たくさん獲れないからである。とても、
佃煮なんかにして食べるほど獲れないのだ。にもかかわらず、
佃煮にして食べようという....
「車蝦の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
だから、よほど経験のある食通でなければ、やってのける度胸は出まい。これをいきなり
佃煮風にするのは、もったいない気がして、ちょいとやりきれないが、それをやりおおせ....
「塩昆布の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
よいだろう。また、塩味の好きな人は醤油に塩を加えるのもよかろう。塩を加えた昆布の
佃煮は、塩でじゃきじゃきする。それまで煮つめるのが美味しい煮方である。しかし、直....
「若鮎の気品を食う」より 著者:北大路魯山人
その価値はない。それも充分にいたまぬ手当をしてのことである。十時間以上も経てば、
佃煮にでもするほか仕様はあるまい。川を離れて三、四時間以内で食いたいものである。....
「海苔の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
のりの茶漬けは至極簡単だが、やっている人は少ない。缶詰や壜詰になっているのりの
佃煮には、いい香りのものは見られない。一年も二年も経って日増せになったのりとか、....