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「位地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

位地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
の構造を外部より了得《りょうとく》せしむる場合に、「いき」の存在の把握に適切なる位地と機会とを提供する以外の実際的価値をもち得ないであろう。例えば、日本の文化に....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
折柄《おりから》である。忠通の胸は憤怒《ふんぬ》に焼けただれた。しかし彼が現在の位地《いち》として、さすがに一人の侍女《こしもと》の訴えを楯にして表向きに頼長を....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
、またそれを使う天才もなし、かつまた事業の天才もなし、また事業をなすための社会の位地もないときには、われわれがこの世において何をいたしたらよろしかろうか。事業を....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
から随分甚い目に逢いました」秀子は益々常の心地に復《か》えるに連れ、愈々其の身の位地に当惑する如く「貴方、貴方、丸部さん」と最と鋭く叫んだ、余「ハイ何ですか」秀....
近時政論考」より 著者:陸羯南
弁護者となり、他の守旧論派と連合してもって帝政党を作り、自由・改進二派と正反対の位地に立ちて論戦を開くに至れり。この三派は実にわが国政党の嚆矢なりといえども、吾....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
たので、つかつかと靴を近けて差覗いたが、ものの影を見るごとき、四辺は、針の長短と位地を分ち得るまでではないのに、判然と時間が分った。しかも九時半の処を指して、時....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
って、彼から聴いた顛末を通告しようかと思ったが、彼になんらの相談もしないで仲介の位地に立つことは、なんだか彼を裏切るような感じが強かったので、私は最後に決心して....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
帰ろうとするのを、座主の守田勘弥らが仲裁して無事に納まったという。彦三郎が座頭の位地と人気を恃んで、脚本|改竄の我儘を主張したが為である。彦三郎といえども黙阿弥....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
に、特におねがい申しておきます。なにしろヒンクマン氏に長生きをされると、わたしの位地ももう支え切れなくなりますから、現在大いに願っているのは、どこへか移転するこ....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
たる秋岡陣風斎に愛され、一師一弟の別格稽古を受け、八方巻雲の剣法の極意を相続する位地にまで進んだので有った。 「その伝授の前に、必ずそれは武者修行に出て、一度は....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
出来る。所で酸素を製造する機械は、その材料と共にこの室内に備えてある。 自分達の位地を考えて見るとこう用意の届いていることが、少しも愉快では無い、却って苦痛だ。....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
かどうだか判らない。それは座頭の俳優ばかりでなく、中軸や書出しや立女形や庵などの位地に坐っている主なる俳優が皆それであるから、真偽|混淆でずいぶん困らせられたも....
源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
歌舞伎式の俳優の最後の一人であると伝えているが晩年の源之助は寄る年波と共に不遇の位地に置かれて、その本領をあまりに発揮していなかった。 源之助が活動したのは明....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
意味を以て民間に感じられておったといってよい。民間から出てその歌の道統を継承する位地に立った人として、宗祇の得意は思うべしである。こんな関係だから、連歌の方で第....
自来也の話」より 著者:岡本綺堂
つづいて「小幡小平次」をかき、「忍ぶの惣太」を書き、ここに初めて狂言作者としての位地を確立したのであるという。 勿論、黙阿弥翁のことであるから、遅かれ早かれ世....