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位置
「位置〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
位置の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
勿論彼はN氏の言葉を一笑に付する余裕《よゆう》を持っている。しかし現在の彼自身の
位置は容易に一笑《いっしょう》に付することは出来ない。彼は弔辞には成功し、小説に....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
かしなくてはならない事である。おそいと早いとの相違がなんであろう。もし弟と自分の
位置を換えたにしても、やはり弟は自分のしようとする事をするに違いない。「走れ。羅....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
かし、己を不快にするものは、まだほかにもある。それは己があの眇と、対抗するような
位置に置かれたということだ。己は昔からそういう
位置に身を置くことを好まない。勝負....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
から顔を映しながら、熱心に工夫《くふう》を凝《こ》らして見た。どうかすると、顔の
位置を換えるだけでは、安心が出来なくなって、頬杖《ほおづえ》をついたり頤《あご》....
「影」より 著者:芥川竜之介
た?――それは神経衰弱に違いないさ。よろしい。さようなら。」
陳は受話器を元の
位置に戻すと、なぜか顔を曇らせながら、肥った指に燐寸《マッチ》を摺《す》って、啣....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
ら、ちょいとその麻利耶観音を卓子《テーブル》の上から取り上げたが、すぐにまた元の
位置に戻して、
「ええ、これは禍《わざわい》を転じて福《さいわい》とする代りに、....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
給仕たちに英語を教えてでもいるらしい。そこで自分は椅子《いす》をずらせて、違った
位置からまた鏡を覗《のぞ》きこんだ。すると果してその卓《テエブル》の上には、読本....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
津にそう云ってね。好いかい?――それでおしまい。」
お律はこう云い終ると、頭の
位置を変えようとした。その拍子に氷嚢《ひょうのう》が辷り落ちた。洋一は看護婦の手....
「路上」より 著者:芥川竜之介
いと云う事、初子の父の栗原は彼の母の異腹《はらちがい》の弟で、政治家として今日の
位置に漕《こぎ》つけるまでには、一方《ひとかた》ならず野村の父の世話になっている....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
せんからね。」
老紳士は考え考え、徐《おもむろ》にこう云った。それから鼻眼鏡の
位置を変えて、本間さんの顔を探るような眼で眺めたが、そこに浮んでいる侮蔑《ぶべつ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ているのを知った時には――ああ、一切が恐しい夢でございます。私には到底当時の私の
位置を、再現するだけの勇気がございません。私は思わず、友人の肘《ひじ》をとらえた....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
それにあけて置いた窓から月がさしていた。無論電燈もちゃんと消してある。僕は氷枕の
位置を直しながら、蚊帳ごしに明るい空を見た。そうしたらこの三年ばかり逢った事のな....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
れることのできるのは、ホンの少数の先覚者――つまり一般民衆の先達として、指導者の
位置に就くべき、少数の先駆者のみに限られる。一体いずれの時代、いずれの国土に於て....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
はなぜかぼんやりしていた。僕は光線の加減かと思い、この一枚のコンテ画をいろいろの
位置から眺めるようにした。 「何をしているの?」 「何でもないよ。……唯あの肖像....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーの返事は大抵簡単明亮であった。 英国で科学者のもっとも名誉とする
位置はローヤル・ソサイテーの会長である。ファラデーは勧められたが、辞退してならな....