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低し
「低し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
低しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近時政論考」より 著者:陸羯南
他の諸論派よりは強大なる反撃を受く、いずれにしてもこれらは政論としての価はなはだ
低しと言うべし。しかれども今日にありて保守論派の本色を保つものはこれよりいちじる....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
有る可きに非ず、斯思いて余は二人の医官を見較ぶるに一方は瘠せて背高く一方は肥て背
低し斯も似寄たる所少き二人の医官が同様の見立を為すは殆ど望み難き所なれば猶お彼等....
「みちの記」より 著者:森鴎外
鏡かけて車窓の外の山を望み居たりしが、記中には此山三千尺とあり、見る所はあまりに
低しなどいう。実に英吉利人はいずくに来ても英吉利人なりと打笑いぬ。長野にて車を下....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
いるのであります。些くともこれは大勢同志を比較した統計で、ふだん出合頭に鼻の高し
低しを見てその人間の文化程度を測定するのは大間違いの初まりではあるまいかと考えら....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
えるがごとく顕る。続いて花の赤き同じ燈籠、中空のごとき高処に出づ。また出づ、やや
低し。なお見ゆ、少しく高し。その数|五個になる時、累々たる波の舞台を露す。美女。....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
存在するようである。私は鼻高過ぎてやせている狐面や長くて馬に類するものよりも、鼻
低しといえども丸々として猫に類する厚ぽったい相貌を好む。ことに西洋の鷲鼻の女が怖....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に過ぎます。本当の幸福は、世のいわゆる、見て以て高しとするところになく、見て以て
低しとするところに存在するのではございますまいか。且つまた、本当の安楽は、世の見....
「死者の書」より 著者:折口信夫
さまのお喰しの料に叶いません。天の神|高天の大御祖教え給えと祈ろうにも、国中は国
低し。山々もまんだ天遠し。大和の国とり囲む青垣山では、この二上山。空行く雲の通い....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
卵とで昼食をすました。卵の高い安いによってその昼食は二スーから四スーまでの間を高
低した。晩の六時にサン・ジャック街に出ていって、マテュラン街の角《かど》にある版....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
くなり、裂け目ができ、穴があき、錯雑した曲がり角《かど》が入り組み、秩序もなく高
低し、悪臭を放ち、野蛮で、暗黒のうちに沈み、舗石《しきいし》にも壁にも傷痕《しょ....
「放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
話声と共に耳を聾《ろう》するばかりの、どんつくどんどんつくつくと鳴る太鼓の音が空
低しとばかりに響き渡る、殷賑《いんしん》を極めた夜であった。 樹庵次郎蔵、――....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
である。 ※柳は蛇と同字でヘビである] 息処石の南大河南岸に洲あり古柳蟠
低して異風奇態あり夫木集に知家朝臣の歌に咲花に錦おりかく高野山柳の糸をたてぬきに....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
高きものあればこそ低きものもあり、強大あればこそ小弱もあり。故に今、婦人の地位を
低しというも、男子の地位を引下げて併行《へいこう》するに至らしむれば、男女の権力....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
南方より涼風を送り来たり、寒暖は昼夜ともに八十一、二度なり。赤道直下として、温度
低し。ただし熱帯に入りて以来、昼間と夜中の温度、室内においてはほとんど高低なし。....
「三国志」より 著者:吉川英治
使命を果しきれますまい」 「それは婦女子の見で、大丈夫の採るところでない。この山
低しといえど、三方は絶地の断崖。もし魏の勢来らば、引き寄せて討つには持ってこいの....