低吟[語句情報] » 低吟

「低吟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

低吟の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
もの思う葦」より 著者:太宰治
かれて行く死刑囚が、それでも自分のおちぶれを見せまいと、いかにも気楽そうに馬上で低吟する小唄の謂いであって、ばかばかしい負け惜しみを嘲う言葉のようであるが、文学....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
香と芸術的空気を呑吐して、芸術的興奮で自作の恋の詩を――隣の女に聞えるように――低吟したり、そうかと思うと、おなじく芸術的興奮で真正面から他人の顔を写生したり、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
にしなけりゃ満足ができないのだ。遊ぶにしたところで、蘭燈《らんとう》の影暗く浅酌低吟などという味なんぞは、毛唐にわかってたまるものか。あいつらは、女を玩《もてあ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ったが、彼はついにそれらを忌みきらうようになった。老人はよくそれらの最初の小節を低吟して、「これこそ音楽だ」と断言し、「旋律《メロディー》のない近代の安音楽」と....
三国志」より 著者:吉川英治
吟し給え。静聴しよう」 「ちょうど微酔の気はあり、夜は更けて静か。そぞろ私も何か低吟をそそられています。――どうかご両所とも盞をかさねながら、座興としてお聴きく....