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低度
「低度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
低度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
と云うのであります。だからして記憶の最高度はもっとも明暸なる上層の意識で、その最
低度はもっとも不明暸なる下層の意識に過ぎんのであります。 すると意識の連続は是....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
目次 序1 ※9 最
低度の自然民には宇宙成立に関する伝説がない/原始物質は通例宇宙創造者より前からあ....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
したりしてはならぬ。それらは必ず一度演出者を通じて行なわれねばならぬ。 ○非常に
低度の演技、つまり群衆の動きや背景的演技などを対象とする場合は必ずしも右の原則に....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
ずこの事を問題にする人すら少ないように見える。北海道大学の伊藤直君の研究にかかる
低度真空中の放電による放射形縞についても同様の事が言われる。自分はかつて、例の液....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
し、その頂上に、奇妙な、いっこう花らしくない花が群生している。肉眼で見る代わりに
低度の虫めがねでのぞいて見ると、中央に褐色を帯びた猪口のようなものが見える。それ....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
文学の大衆化動議においてそれ等の論者は民衆を抽象化しつつ、而も一方では現在の文化
低度に固着せしめた条件で民衆を明白に、文化上の被与者として扱っている事実である。....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
要求に向って一切の疑問を抱かぬように単純化された生活と精神との所謂真面目さという
低度に止まっていた。生産文学は、人間を物に従わせるということで、とりもなおさずそ....
「討論に即しての感想」より 著者:宮本百合子
けれども、本質では文化・文学の理性、批判性、自立性を彼等のいわゆる素朴なる大衆の
低度に解消してしまう方法でした。正月元日に明治神宮の参道をみたす大衆の中に、イン....
「科学論」より 著者:戸坂潤
な自然科学の特徴は、それが豊富で充分な実験というものも実験のごく初歩の或いはごく
低度のもので、従って実験の一つの契機だと見做していい。 実験は併し、正確に云え....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
存在だ、ということになる(アリストテレスは質料をば可能性という、形相よりももっと
低度の、併し矢張り一つの存在と考えた。質料は可能的なものではなくて却って現実的な....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
この非常識呼ばわりの気持ちなのだ。ここで云うまでもなく、常識とは決して、積極的に
低度の未発達な知識のことではなくて、すでに或る程度にまで発達した知識であるという....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
に決定的な統制を加える必要があることになる。――新聞や雑誌の編集部もそれ自身一種
低度の能動的な言論統制機関ではあるが、広告の問題からも判っているように自由営業体....
「鉛をかじる虫」より 著者:寺田寅彦
色々見せてもらったものの中で面白かったものの一つは「鉛をかじる虫」であった。
低度の顕微鏡でのぞいてみると、ちょっと穀象のような恰好をした鉛のような鼠色の昆虫....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
がなくなるので、あまねく早婚を促すであろうが、しかしかかる習慣がひとたび人民を最
低度の貧困に陥らしめた暁には、それは明かに人口増加の影響をそれ以上何も及ぼすこと....
「それから」より 著者:夏目漱石
も、横にも同じ様な窮屈な家が建てられていた。東京市の貧弱なる膨脹に付け込んで、最
低度の資本家が、なけなしの元手を二割|及至《ないし》三割の高利に廻そうと目論《も....