低廉[語句情報] »
低廉
「低廉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
低廉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
此は京王の考としてさもありそうな話である。田舎はもとより金が無い。比較的小作料の
低廉な此辺の大地主は、地所を荷厄介にして居る。また大きな地主で些派手にやって居る....
「惜別」より 著者:太宰治
者の歌舞伎が常設的に興行せられ、それでも入場料は五銭とか八銭とかの謂わば大衆的な
低廉のもので手軽に見られる立見席もあり、私たち貧書生はたいていこの立見席の定連で....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
を自作につけるので画家がヒステリーを起こしている時などは時々非常に高価か、馬鹿に
低廉であるかも知れないし、どうせ売れもしない大作だとあきらめるとやけ糞で何万円と....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
を自作につけるので画家がヒステリーを起こしている時などは時々非常に高価か、馬鹿に
低廉であるかも知れないし、どうせ売れもしない大作だとあきらめるとやけ糞で何万円と....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
うのである。 では電力会社の方はどうかというと、東北地方における水力を開発して
低廉な電気を供給することを、その事業目的としている。しかし勿論、ソヴェートのよう....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
な農民はそれに対して主張する事を知らない、電力が国営になったからとてそう急に豊富
低廉なる電力を人民が享受し得られるものか如何か、よしそれが享受し得られる計算にな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
作者の権利」とかいう言葉に交ってる、「トラスト」、「壟断《ろうだん》」、「代価の
低廉」、「収入額」などという言葉ばかりだった。がついに、商業上の問題であることに....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
としては相当味わえるが、商品としては見込がない、あの通り山林に野生するものでごく
低廉に手に入るところから、誰でも一度は考えて見るのだが、さてこれを商品として売り....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
二様ある。一つは卸向きのもの、他は小売向きの品も製造するにあり、卸売向きのは原料
低廉ならでは引き合わぬため、洋粉、砂糖等の主なる原料は粗悪なものを用いるを常とな....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
あるが、管理者にその人を得れば、十分に国民の期待に添う「選ばれた演劇」を、比較的
低廉な料金で鑑賞できる唯一の場所なのである。 「公共劇場」というのは、国立ではな....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
鼻介でござい。聟殿の身許調査の御用はいかがで。迅速正確、親切丁寧、秘密厳守、料金
低廉、あくまで良心的」 と売りこんだのである。実に彼こそは本朝興信所の元祖であ....
「ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
経済の、根底を動揺させるからね。レーヨンの発達が、生糸を圧迫し、生糸の生産原価の
低廉が、綿糸へ影響し、そのレーヨンが、近来、人造羊毛のために、四苦八苦しているな....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
は昔から古物を尊び、由緒ある品などは莫大な価額のように聞きましたのに、氏は新品で
低廉の器具ばかりを揃えて、庵の名もそれに因んで半円とか附けられたとかいうことでし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
一斑を知るに足る。建築、道路、衣服等に夥多の資を投ずるも、学校教員の俸給は一般に
低廉にして、しかも村落にいたりては、数カ月間も月給を支出せざる所ありと聞けり。し....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
いの家だから彼女もさぞ満足するだろうと思い、出がけにちょっとあたってみたら、割に
低廉だ。部屋も気に入ったし、妻には宴会と偽わって出たので、帰りの時間の心配もない....