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低音部
「低音部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
低音部の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
郷愁が、涯しない草原の夜のとばりをさまようかのようなこの曲は、駒の響きを想わせる
低音部のくりかえしが印象的で、ふと日本人のセンチメンタリズムをゆすぶるのだったが....
「春寒」より 著者:寺田寅彦
の最期の顛末を読んだ日に、偶然にも長女が前日と同じ曲の練習をしていた。そして同じ
低音部だけを繰り返し繰り返しさらっていた。その音楽の布いて行く地盤の上に、遠い昔....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
ちる噴き上げの水の中に、華やかな虹色の水滴を転ばせながら。 淡々と高音部から、
低音部へ。――だが、今日のショパンの姿勢の何と男らしいこと。いつの間にかあの夕暮....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
い声でつぶやいた。 「エラールのピアノははじめてだぞ」 椅子に掛けて八十五鍵を
低音部から素早くひと撫ですると、いきなりバッハの〈平均律洋琴曲ハ長調フーガ〉をひ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ょう、いつも。いかが? 本当にこのことは知りたいと思います。忘れずお教え下さい。
低音部の響は何割活かされているかということを。よくて? 国府津の海ではそと海ら....
「罌粟の中」より 著者:横光利一
る原野の秘めた歴史のようであった。高鳴りひびく音が旗を巻き、崩れ散り、怨みこもる
低音部の苦しみ悵快とした身もだえになると、その音は寝ている梶の腸にしみわたった。....