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「住持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

住持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鯉魚」より 著者:岡本かの子
。 開山より何代目か経《た》って、室町時代も末、この寺に三要という僧《そう》が住持をしていました。 禅寺《ぜんでら》では食事のとき、施餓鬼《せがき》のため飯....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かの人々もそんなことであろうと思った。 「なるほど、そういえば此の頃は、うちの御住持さまは大変に犬を嫌っていなすった」と、時光寺の納所《なっしょ》も云った。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
花屋で要りもしない線香と樒を買って、半七はそこの小娘にそっと訊いた。 「ここのお住持はなんという人だえ」 「覚光さんといいます」 「本所からお国さんという髪結さ....
乱世」より 著者:菊池寛
められてから数日経った。本堂に続いた二十畳に近い書院が、彼らの居室に当てられた。住持の好意によって、手回りの品物が給せられた。警護の鳥取藩士は、彼らにかなり寛大....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、いろいろ取り込みのことがあって、この夏は客の世話が出来ないと言うので、またその住持の紹介を得て、素人の家に置いてもらうことになった。少し込み入った脚本を書きた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
詳しいことは後にして、ここでざっと調べますが、まず第一に地蔵さまの一件、それはお住持も勿論御承知のことでしょうね」と、半七は先ず訊いた。 「承知して居ります」と....
観画談」より 著者:幸田露伴
もない田舎などをノソノソと歩いている位だから、とてもの事に其処へ遊んで見たまえ。住持といっても木綿の法衣に襷を掛けて芋畑麦畑で肥柄杓を振廻すような気の置けない奴....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
してから、最後に頗る興味のある事実を述べた。 「そう云う風に、今年に入って以来の住持の生活は、全く見るも痛々しい位に淋しいものでした。それでこの三月頃には、時々....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
うに犬の吠える声が聞こえるのでございます。それがゆうべは取り分けて激しいので、お住持がそっと起きて行ってみると、一匹の小さい狸が野良犬に咬み殺されて死んでいまし....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
たのでした。あとで知ったのですが、その出家は鎌倉でも五山の一つという名高い寺のお住持で、京登りをした帰り路に、山越えをして北陸道を下らるる途中であったのです。お....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
に光るのは、お月様の御堂の棟。 ――その頃は、こんな山の、荒れた祠ですもの。お住持はなくて、ひとりものの親仁が堂守をしていましたそうです。降りつづいた朝ぼらけ....
小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
同を集めて、青山杉作が以上の経過を報告した。 菩提寺、牛込若松町金谷山宝祥寺の住持秋山暁道師によって先生の戒名は「蘭渓院献文慈薫居士」と名づけられ、二十六日午....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
けの興味であった。寺は度々の地震ですっかり損じてしまい、竹籠のようになっていた。住持の透鱗はじめ僅かばかりの寺の人数は裏の竹藪の中に仮小屋を作りうずくまって住ん....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
とあるのは、今の手紙に侍者とか、侍者御中とか書くのと同じことで、寺の一室におって住持たる高僧の左右に侍する低い地位の僧侶を指したものである。右に引いた『続古事談....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
有福者の触込みに莫大な謝金を目算して居たのが口先きばかりに終ったり、清貧に苦しむ住持に十王勧進の話をしたら其揚句には謝金どころかあべこべに第一の寄進を請求された....