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住込み
「住込み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
住込みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古典風」より 著者:太宰治
も思うようにゆかず、ほとんど店は崩壊したのである。てるは、千住の蕎麦《そば》屋に
住込みで奉公する事になった。千住に二年つとめて、それから月島のミルクホールに少し....
「放浪」より 著者:織田作之助
そんな心の底に、美津子のことがあった。 しかし、結局は居辛くて、浅草の寿司屋へ
住込みで雇われた。やらせて見ると一人前の腕をもっているが、二十三とは本当に出来な....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
或人より聞たれば当分の中分れ/\に住む事とし妾は口を求めて本郷の或る下等料理屋へ
住込み金起は横浜の博奕宿へ移りたり或日妾は一日の暇を得たれば久し振に金起の顔を見....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
、身持|放埓のため、親の勘当を受け、二十歳の時江戸に来て、ある鍼医の家の玄関番に
住込み、少しばかり鍼術を覚えたので、下谷|金杉村に看板をかけ、幇間半分に諸家へ出....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
言った程度の技能にまで行けるものだということである。徒弟制的な訓練(幼年期からの
住込み式教育)は大抵の人間を一人前の職人に仕立てるものだ。ピアノの天才さえ厳密な....
「ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
これ二十年前、この女房を連れて東京へ出て来まして、浅草の、或る料理屋に夫婦ともに
住込みの奉公をはじめまして、まあ人並に浮き沈みの苦労をして、すこし蓄えも出来まし....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
然である。 児童虐待をしてはいけないという名目上の禁止は之で出来上ったが、前借
住込みという形式の極東アジア的人身売買をしてはいけないという禁止令はまだ出ていな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
間違って暗い方へ向いたら、もういけませんよ。暗いところにはカビが生えます、魔物が
住込みます、そうして、いよいよ暗い方へ、暗い方へと引いて行きます。暗いところには....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
ね、旦那様。 漢方の先生だけに仕込んだ行儀もございます。ちょうど可い口があって
住込みましたのが、唯今居りまする、ついこの先のお邸で、お米は小間使をして、それか....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
滝と池 「綺麗な水ですねえ」 と、つい数日前に、この植甚の家へ
住込みになった、わたりの留吉は、池の水を見ながら、親方の植甚へ云った。 「これが....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
でバクチをやる。ミイリはあるが、出るのも早くて、年中ピイピイである。 ベク助は
住込みで月十円の高給。食住がタダで十円だから、相当な給料だ。三休と五忘は時に貧窮....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
は、小僧に――」 そうです。千駄木の師匠、雲原明流氏の内へ、縁あって弟子小僧に
住込みました。 これは申すまでもありません。 「洞斎の兄の身にして見ればじゃ、....
「俗臭」より 著者:織田作之助
と扇子屋をやっただけ無駄となった訳だ。伝三郎はこれを機会に、生国魂前町の寿司屋へ
住込みで雇われたので、料理衣と高下駄を買えと三円ばかり持たしてやった。それで所持....
「放浪」より 著者:織田作之助
そんな心の底に、美津子のことがあった。 しかし、結局は居辛くて、浅草の寿司屋へ
住込みで雇われた。やらせて見ると一人前の腕をもっているが、二十三とは本当に出来な....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
った。 畳屋のきわさんが世話してくれたのは、神戸三の宮の松浦有平という洋紙店の
住込み店員だった。ここはおもに外国人の経営している工場の紙を扱っていた。細君は混....