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「佐保〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

佐保の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
声がきこえて来ました。すると奥さんはたいへん丁寧《ていねい》にお嬢さんに向い、「佐保子や、お前坂本さんにダンスをお願いしなさい」と言われたので、ぼくは一遍《いっ....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
神代のは、悪いこと兇なることを圧し禁むるのであった。奈良朝になると、髪の毛を穢い佐保川の髑髏に入れて、「まじもの」せる不逞の者などあった。これは咒詛調伏で、厭魅....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
ことはいわしとく位の実意がなくてどうするのさ」 三年前、文学上の先輩である楢崎佐保子のところで、伸子は偶然来あわせた吉見素子に紹介された。素子の小麦色のきめの....
道標」より 著者:宮本百合子
した、小規模の報告座談会のような席でだった。伸子や素子を能見物に招いたりする楢崎佐保子が、その夜も二人を誘ったのだった。 そのとき、中国共産党の革命の見とおし....
伸子」より 著者:宮本百合子
ね、この前上った時分から見ると――」 「そうでしょうとも、もうすっかり春ですよ」佐保子は正面の椅子から立ち上った。そして伸子に横顔を向け、硝子の外を覗いた。 「....
十二支考」より 著者:南方熊楠
立小便と蹲踞《そんこ》小便)、その後見出でたは、慶安元年板『千句独吟之俳諧』に「佐保姫ごぜや前すゑて立つ」、「余寒にはしばしはしゝを怺《こら》へかね」、まずこれ....
死者の書」より 著者:折口信夫
山も、既に黄葉して、其がもう散りはじめた。蟋蟀は、昼も苑一面に鳴くようになった。佐保川の水を堰き入れた庭の池には、遣り水伝いに、川千鳥の啼く日すら、続くようにな....
大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
て、法蓮《ほうれん》というちょっと古めかしい部落を過ぎ、僕はさもいい気もちそうに佐保路《さおじ》に向い出した。 此処、佐保山のほとりは、その昔、――ざっと千年....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ぐらいに取ればいい。 「明日香風」というのは、明日香の地を吹く風の意で、泊瀬風、佐保風、伊香保風等の例があり、上代日本語の一特色を示している。今は京址となって寂....
雪の宿り」より 著者:神西清
しでも早い道をと歌姫越えをして、思わぬ深い雪に却って手間どった貞阿は、単調な長い佐保路をいそぎながら、この門をくぐろうか、くぐらずに右へ折れようかと、道々決し兼....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
な山には、谷を隔てて、見えつつ近づくべからざる巨木名花があると聞く。……いずれ、佐保姫の妙なる袖の影であろう。 花の蜃気楼だ、海市である……雲井桜と、その霞を....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
て車を西に駛せた。法華寺村を離れると道は昔の宮城のなかにはいる。奈良と郡山の間の佐保川の流域(昔の都)を幾分下に見渡せる小高い畑地である。遠く南の方には三輪山、....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
には、あまり見せたくない欠陥でなければならない。 ながむればころもで寒し夕月夜|佐保のかはらの秋のはつ風 ゆふさればころもで涼し高円の尾上の宮のあきのはつかぜ ....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
面に分れている。そして後世所謂エタなる一大流れが、それから出来上がったのである。佐保川・初瀬川・寺川・飛鳥川などの諸流が合うて大和川が出来、それに富緒川・葛城川....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ったが、奈良奉行の募に応じて斬罪役を引き受けたがために、近隣の者より故障を受け、佐保に家を給してそこに移らしめられ、後さらに今の地に移ったのだという。しかしこれ....