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佐倉
「佐倉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
佐倉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:太宰治
問わず、また信仰の対象の何たるかを問わず、義の世界は、哀《かな》しいものである。
佐倉宗吾郎一代記という活動写真を見たのは、私の七つか八つの頃の事であったが、私は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
日の朝から赤坂の宅へ推参すると、老人はきのう新富座を見物したと云った。 「新富は
佐倉宗吾でしたね」 「そうです、そうです。九蔵の宗吾が評判がいいので見に行きまし....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
ころで、おいそれと名乗って出られるものでない。命う放り出すのじゃけにのう。が、昔
佐倉領の宗五郎様は、自分の命を投げ出して、百姓衆の命を救うたけに、今でも神様に祭....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ないものの、真に悲しいおはまの泣き音に動かされずにはいられない。仕方がないから、
佐倉へ降りる。 奥深い旅宿の一室を借りて三人は次ぎの発車まで休息することにした....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
点張りで押通した彼も、この妻の訊問には可成苦しんだものらしい。彼が後に自ら大正の
佐倉宗五郎なりと気狂いじみた事を云い出したのも、或はこの時の事を指しているのかと....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
とも。炭一片とお言いだけれど、どうだろうこの頃の炭の高価いことは。一俵八十五銭の
佐倉があれだよ」とお徳は井戸から台所口へ続く軒下に並べてある炭俵の一を指して、「....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
を無闇に吹かしたり、独りで焦れたり、嬉しがったり、浮かれたりしていた。 火鉢の
佐倉炭が、段々真赤に円くなって、冬の夜ながらも、室の中は湿とりとしている。煙草の....
「政治家と家庭」より 著者:太宰治
頭の禿げた善良そうな記者君が何度も来て、書け書け、と頭の汗を拭きながらおっしゃるので、書きます。
佐倉宗五郎子別れの場、という芝居があります。ととさまえのう、と泣いて慕う子を振り....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
てそんな場所に来ていたものか、それは判らない。まだも一つ。それは麻布の森元座で、
佐倉宗五郎の磔刑に処せられる芝居を見たこと。四谷の桐座へも行ったこと。その頃は何....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
は、復讐の旅へ出て一年になるが、かつて一度もなかったと思った。 彼は下総の国、
佐倉の郷士、伊東忠右衛門の忰であった。伊東の家柄は、足利時代に、下総、常陸等を領....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
それがね。」と、刑事はしずかに言った。「さきごろ、警察へ挙げられた犯人――それは
佐倉という者で、この五月に根津の往来で多代子さんに玩具の蛇を投げたことがある。そ....
「二通の書翰」より 著者:田中貢太郎
り、男は東京へ帰っているうちに、男は兵役の関係から演習に引張り出されて三週間ほど
佐倉の方へ往っていた。 その時であった。鎌倉の八幡宮の前にあったあの雪の下の饅....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
毎日この家に日はあたらぬ、雪もかなり深いということ、先年東京から祭文語りが来て、
佐倉宗吾の話をした時、降り積む雪は二尺あまりというたので、気早の若者は、馬鹿を吐....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
三代目瀬川如皐死す、七十六歳。江戸末期には黙阿弥と対抗する著名の狂言作者にて、「
佐倉宗吾」「切られ与三郎」「うわばみお由」など、その代表作と称せらる。 ○六月、....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
何処から出やアがった、此ん畜生ヤイ、出抜けに出やアがッて此ん畜生」 乙舁「此奴は
佐倉の町で笛を吹いてやアがった乞食だ、この原中で旨え仕事をしようという中へ這入っ....