佐倉炭[語句情報] » 佐倉炭

「佐倉炭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

佐倉炭の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文鳥」より 著者:夏目漱石
さらする。書きかけた小説はだいぶんはかどった。指の先が冷たい。今朝|埋《い》けた佐倉炭《さくらずみ》は白くなって、薩摩五徳《さつまごとく》に懸《か》けた鉄瓶《て....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
に片寄せて動かずなる。 母は掻《か》き馴《な》らしたる灰の盛り上りたるなかに、佐倉炭《さくらずみ》の白き残骸《なきがら》の完《まった》きを毀《こぼ》ちて、心《....
行人」より 著者:夏目漱石
りした。その未来を織る糸のうちには、自分に媚《こ》びる花やかな色が、新しく活けた佐倉炭《さくらずみ》の焔《ほのお》と共にちらちらと燃え上るのが常であったけれども....
青年」より 著者:森鴎外
ない、火鉢に掛けてある湯沸かしには湯が沸いている。それを卸して見れば、生けてある佐倉炭が真赤におこっている。純一はそれを掻き起して、炭を沢山くべた。 綺麗に片....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
れても巧く誤魔化し得たと思った。ちょうど真蔵が窓から見下した時は土竈炭を袂に入れ佐倉炭を前掛に包んで左の手で圧え、更に一個取ろうとするところであったが、元来|性....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
を無闇に吹かしたり、独りで焦れたり、嬉しがったり、浮かれたりしていた。 火鉢の佐倉炭が、段々真赤に円くなって、冬の夜ながらも、室の中は湿とりとしている。煙草の....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
臭気《におい》に過ぎなかった、親分の藤吉は柚子味噌《ゆずみそ》、兄分の勘弁勘次は佐倉炭、角の海老床の親方が日向《ひなた》の油紙《ゆし》、近江屋の隠居が檜――まあ....