体中[語句情報] »
体中
「体中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
体中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、容易に口を開きません。その間の長さと申しましたら、橋の下の私の甥《おい》には、
体中の筋骨《すじぼね》が妙にむず痒《がゆ》くなったくらい、待ち遠しかったそうでご....
「河童」より 著者:芥川竜之介
色のことです。岩の上に僕を見ていた河童は一面に灰色を帯びていました。けれども今は
体中すっかり緑いろに変わっているのです。僕は「畜生!」とおお声をあげ、もう一度|....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
な》だった。彼は突然お嬢さんの目に何か動揺に似たものを感じた。同時にまたほとんど
体中《からだじゅう》にお時儀をしたい衝動を感じた。けれどもそれは懸け値なしに、一....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
さずに、洋一の顔を見下した。
「お母さんはどうした?」
洋一は兄を見上ながら、
体中《からだじゅう》の血が生き生きと、急に両頬へ上るのを感じた。
「この二三日悪....
「白」より 著者:芥川竜之介
ね。」坊ちゃんもバットをおもちゃにしながら、考え深そうに答えました。
「こいつも
体中《からだじゅう》まっ黒だから。」
白は急に背中の毛が逆立《さかだ》つように....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
、じっと畳を見つめながら、ほとんど暗誦でもしているように――と云って心の激動は、
体中《からだじゅう》に露《あら》われているのですが――今日《こんにち》までの養育....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
それよりも気がかりだったのは勿論皿の上の料理だった。彼女はパンを口へ入れるのにも
体中《からだじゅう》の神経の震《ふる》えるのを感じた。ましてナイフを落した時には....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
笑いました。夫はどんなに無念だったでしょう。が、いくら身悶《みもだ》えをしても、
体中《からだじゅう》にかかった縄目《なわめ》は、一層ひしひしと食い入るだけです。....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
見ておこうと、そう覚悟《かくご》がきまっては気味の悪いも何もあったものじゃない、
体中|珠数生《じゅずなり》になったのを手当《てあたり》次第に掻《か》い除《の》け....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
え君、妹たちには、もとより評判が可いんだからね、色男、ははは、」 と他愛なく身
体中で笑い、 「だって、どうする。階下に居るのを、」 背後を見返り、 「湯かい....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
い待て」と声をかけた。 「はい。」 Sは咄嗟にふり返った。が、不安はもう一度|
体中に漲って来たらしかった。 「お前に言いつける用がある。平坂下にはクラッカアを....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
によると、燃焼の際には空気が消費される。また燃焼を支持することのできないような気
体中では動物は生きていられないというのである。レオナルドは非常に優れたエンジニア....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
る忠告を聞かされた。 蔵六が帰った後で夕飯に粥を食ったが、更にうまくなかった。
体中がいやにだるくって、本を読んでも欠伸ばかり出る。その中にいつか、うとうと眠っ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
散らすまい、煙を乱すまいとするように、掌で蔽って余さず嗅ぐ。 これが薬なら、身
体中、一筋ずつ黒髪の尖まで、血と一所に遍く膚を繞った、と思うと、くすぶりもせずに....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
りで、ぐらぐらと眩暈がして、背後へ倒れそうなやつを、湯呑水呑で煽りやがるんで、身
体中の血が燃えてまさ。 ですから、おかみさん、ちょっとでもあン畜生に触るが最後....