体勢[語句情報] » 体勢

「体勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

体勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
柳城はその図をひとめ見て、あざ笑いながら主人の冉従長に言った。 「この画は人間の体勢に巧みであるが、人間の意趣というものが本当に現われていない。わたしはこの画に....
新世帯」より 著者:徳田秋声
人で、口が一向に無調法な女であった。額の抜け上った姿も恰好もない、ひょろりとした体勢である。これまでにも二度ばかり見たが、顔の印象が残らなかった。先もそうであっ....
歌集『集団行進』に寄せて」より 著者:宮本百合子
感じでは、例えば、 よろめけば よろめく方から打って来る拳に 歯をくいしばって体勢を整える。 × なぐらせるという反抗の仕方だけ残され 憎しみのかたま....
第四次元の男」より 著者:海野十三
に……)と思ったのは、わたくしの思いあやまりで、かの若き男は、ぐっと一足をついて体勢をたてなおした。 「おや、へんだな。――そして僕は伯父にいったんだ。僕はこれ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
勢はしゃんとして、しかも、足許がきまっている。杖の力を借りないで、百里も突破する体勢になっている。眼は癒《なお》ったのだろう。その証拠に、今、紗のように透き通っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
立てられるというのは、ホンの形容で、事実、誰も追う人はなし、追わるるような弱味の体勢にはなっていないが、時が時であって、四方が四方でしたから、引窓の中から抜け出....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たき》にしたところで、そう今から狼狽するには及ぶまいと思われるのですが、この男の体勢はいよいよ崩れて、ほとんど腰の据えどころがありません。 先方の動静を見ると....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
た。その時の中村不折氏の書いた私の肖像は表装までしてもらっている。尤もその肖像の体勢が、私よりも不折氏の方に肖《に》ているという事はその席上での笑柄に上って、少....
」より 著者:斎藤茂吉
ういう悧巧なところがある。そうして、あの赤褐色に光る奴が、まさに跳ね飛ぼうとする体勢の時が、一番美しいようだ。 DDTの発明は瑞西国人によって成されたというこ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ところを踏みこんで、剣尖からおろす唐竹割り、剣法でいう抜き面の一手です――左膳の体勢は、すこしもゆるがず、つぎの瞬間、また水のごとき静けさに返っています。 二....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
り出しでどきもをぬくことは充分出来るでしょうが。ヴァイオリン弾いている娘たちの、体勢さえちゃんと教えられていません。二百八十人だかが、あれだけの盛沢山で昼夜二回....
白木蓮」より 著者:豊島与志雄
も、明るい顔で、明るい眼眸だ。糸切歯の笑みが消えると、桃代と向き合って、ぴたりと体勢がきまる。 桃代は三味線の調子を合せて、ちょっと間を置く。それから掛声と共....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
っているから、ちょっとの不利にも自ら過大にシマッタと思う気分の方が強くて、不利な体勢から我武者羅に悪闘してあくまでネバリぬく執拗なところが足りないのだ。シマッタ....
文化祭」より 著者:坂口安吾
は持てないのです」 ケンソンではない。万一の場合にそなえて、おのずからの防禦の体勢。知能と関係のない特殊な頭脳の廻転だ。 「幹事ではいらッしゃるのね」 「そう....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
は、見る通りこれだけの、掛け値なしのグズのウスノロと見極めをつけたから、即坐に新体勢をととのえた。 「実はですね。諸事金づまりの世の中。仕事を手びろくやりすぎた....