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「体温計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

体温計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
斜陽」より 著者:太宰治
らお蒲団を出して、寝かせてあげ、何だかひどく気がかりになって来たので、お荷物から体温計を捜し出して、お熱を計ってみたら、三十九度あった。 叔父さまもおどろいた....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
を買い込んで来てテーブルへ並べてみるとか、あるいは子供の流感に喫驚して代診の如く体温計を持って走ってみたりなどするのである。 ところでいくら神様が造ったと称す....
一九二九年一月――二月」より 著者:宮本百合子
ヤは四十二留五十|哥《カペイカ》だ) 50人に対して一人のフェルシンニッツア、体温計、その中に一本いつも三度低いのをもってかけ廻る。 ニャーニカは大体親切だ....
久坂葉子の誕生と死亡」より 著者:久坂葉子
ペンをもとった。「華々しき瞬間」は、ふとんの上でかかれたのである。たん壺を傍に、体温計を枕許に、そして、三時間毎に熱をはかりながら、ものすごいスピードで書きはじ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。 御注文の本、明日ぐらいに揃います。刑法切れているらしい様子ですが。〔中略〕体温計のこと、土曜日におめにかかって。私が慶応に入院していた時のことを考えてみる....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ゾーなの。さては、面妖と思っていると苦しくなって眠るどころでなく、様子が妙だから体温計を出して計ってみたら八度七分。又三十分したら九度、一時間もしたら九度七分ま....
家庭の人へ」より 著者:寺田寅彦
度がどうも別々のもののように感じられることもあるらしい。そのせいでもあるまいが、体温計とその度盛はたいそう大事がられ、風呂場の寒暖計はひどく虐待されるようである....
神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
しなさい」 「ピンセルチン?」 「お前の病院には、ないでしょう。じゃア、聴診器や体温計はいらないから、メスをだしなさい。お前の悪い血をとってあげる」 危険思想....
」より 著者:犬田卯
憤懣とをごっちゃにした連中が、かけ合いで唄の文句をつぶやいていた。 「用もない、体温計など来てやがる。」 全く呆れたことに、その体温計が小綺麗な箱へ入って配給....
余齢初旅」より 著者:上村松園
しでいたのだが、しきりとくしゃみが出た。それで薬を呑んで床にはいったのであった。体温計ではかってみると三十七度八分ほど熱が出ていた。お薬を呑んであたたかくして静....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
か知れませんでした。 到頭その夏は、秋風が立って十月|赤蜻蛉の飛び交う頃まで、体温計と首っ引きで、伊東で寝て暮してしまいました。気候がよくなってから、やっと東....
葛根湯」より 著者:橘外男
言うものを無理に飲ませておいて、今更こういうことではもう我慢が、できん!」 と体温計を口の中へ突っ込みながら嘆き立てた。 「ではグスタフ、俺は忙しいからこれで....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
、念のため、内科の方へ行ってみますか」 先日、私は冗談ごとのように、妻の枕許の体温計を使ってみた。意外にも、三十七度四分あった。翌日も熱は変らない。その翌日の....
落日の光景」より 著者:外村繁
い。が、看護婦が入って来たので、妻は漸くベッドの上に上る。看護婦は妻の脈を取り、体温計を渡して、立ち去る。 「やはり奥さまでしたのね。どちらさまかと思っていまし....
四つの都」より 著者:織田作之助
洋書を抜き出す。 書き物をしていた江藤医学士が庄平を見つける。 (江藤は万年筆を体温計のようにしきりに振る癖がある) 江藤「よう」 庄平「よう」 江藤「何時帰っ....