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「体質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

体質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
|三昧《ざんまい》に耽っていたのです。これは勿論一つには、彼の蒲柳《ほりゅう》の体質が一切《いっさい》の不摂生を許さなかったからもありましょうが、また一つには彼....
或る女」より 著者:有島武郎
かけぬ貪婪《どんらん》な陋劣《ろうれつ》な情欲の持ち主で、しかもその欲求を貧弱な体質で表わそうとするのに出っくわすと、葉子は今まで自分でも気がつかずにいた自分を....
或る女」より 著者:有島武郎
家庭内の紛擾《ふんじょう》や周囲から受ける誤解を、岡君らしく過敏に考え過ぎて弱い体質をますます弱くしているようです。書いてある事にはところどころ僕の持つ常識では....
生きている腸」より 著者:海野十三
らわた》がもしも生きているものなら、神経もあるであろうしまた環境に適応するように体質の変化もおこり得るものと考えたので、彼は生ける腸《はらわた》に適当な栄養を与....
怪星ガン」より 著者:海野十三
はもろい。わたしたちにはたえられる熱にも電気にも、光りにも空気密度にも、地球人の体質ではたえられない。お気の毒でなりません」ハイロは、さっきから妙なことをいって....
軍用鼠」より 著者:海野十三
いる。(この件は、作者梅野十伍に自信がなかった。彼は生れつきアルコールに合わない体質を持って居り、いまだ嘗て酒杯をつづけて三杯と傾けたことがない。だから二日酔が....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
に分れることは、わざわざ断わるまでもあるまい。或る種の霊媒は、単にその一種特別の体質の為めに選ばれる。つまりそれ等の人達の肉体組織が、外部的客観的の霊的表現を行....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
のだから、ほとんど一ぱしの人物と言ってもいいくらいのものだが、惜しいことに、彼は体質上少々欠点があった。とりわけ人に嫌らわれるのは、彼の頭の皮の表面にいつ出来た....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
乗馬服の毛織地を通してもその胸と腰とのふくらみに何処か「女」になり切れ無い小児性体質が感じられる。それがまた異様な魅力となって小田島の愛感を急き立てる。彼はぐっ....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
於て、ひそかに喜助の手を借りて毒薬|亜砒酸を常用していたが、それは多分、抗毒性の体質をつくりだすことにあったのであろうが、それは実際、老人にとってどんな役目を演....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
くみえた。生来虚弱の者は格別、壮健の者が幾回の拷問を凌いでくれば、いよいよ頑丈な体質になるものであると牢内ではいい伝えている。吉五郎はますます壮健になって、牢内....
大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
会随想」等も含まれはするが、其大部分は其最も晩年なる五年中に書かれたものである。体質の弱い彼は一年の間に画作に適する時季を極めて僅かしか持たなかったと毎々言って....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
は単に恋のような精神的の苦悩の為に滅多に死ぬものではないと私は思う。それには必ず体質に弱いところがあって、精神的苦悩の綻びをそこに見出すように余儀なくされるので....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
三つの型に人間の生涯が区別されます。 これはどうしてでしょうか。一つは気魄や、体質により、一概にも言われませんが、概して、人間の内部にある「飽くまで生き抜く力....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
かし、それ等は外から見てわかる事で、云いがかりだと仰しゃられてはそれまでですが、体質の遺伝については争うことが出来ないだろうと存じます。旦那様も奥様もご立派な御....