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体験
「体験〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
体験の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
鋭敏に自分の魯鈍を見|貫《ぬ》き、大胆に自分の小心を認め、労役して自分の無能力を
体験した。私はこの力を以《もっ》て己れを鞭《むちう》ち他を生きる事が出来るように....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ら離れてしまうかも知れない。私はその時読者の忍耐の弱さを不満に思うよりも私自身の
体験の不十分さを悲しむ外はない。私は言葉の堕落をも尤めまい。かすかな暗示的表出を....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の言うところによると、同時代の人で彼ほどに広く世界を見、彼ほどにいろいろな風土を
体験し、また彼ほどに多くの哲学者に接したものは一人もなかった。幾何学上の作図や証....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
国家主義の全盛時代になって第一次欧州戦争を迎えました。 欧州戦争の深刻な破壊の
体験によって、再び世界主義である国際連盟の実験が行なわれることとなりました。けれ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
氏は羨しいですね。すっかり本艇の微粒子解剖整形装置の詳細を見、その上自分でそれを
体験して地球へ帰ったわけでしょう。彼は、新聞界空前のそのニュースを撒き散らして、....
「古狢」より 著者:泉鏡花
のある見送りをする。ちょうど、容子のいい中年増が給仕に当って、確に外套氏がこれは
体験した処である。ついでに岩魚の事を言おう。瀬波に翻える状に、背尾を刎ねた、皿に....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ういう人達に取っては、ラザルスの顔や態度に新しく現われた変化は、みな重病と最近に
体験した種々の感動の跡だと思われていた。ところが、死に依るところの肉体の破壊作用....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。見よ、その時、この隠れたる神の児達が、大地の下層より蹶起して、自己の体得し、又
体験せるところを、堂々と証言するであろう。最初は細き谷川の水も、やがて相合して、....
「墓」より 著者:秋田滋
わたくしは怖ろしい精神的な苦しみを悉に甞めたのでありますが、その限りない苦しみを
体験するにつけ、彼女がわたくしに与えてくれた愛情がますます貴重なものに思われて来....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
るいはそれに近いことをやつている。映画脚本作家は商売にならないからである。我々の
体験からいつても映画脚本を一本書くのは監督を数本試みる労力に匹敵する。しかもむく....
「作画について」より 著者:上村松園
ろいろな画材をいろいろな角度から勉強し得たことは結局自分にとってこの上もないよい
体験であったと思っています。 年少の頃から、研究の推移をふり返ってみますと、大....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
二十を越えて、二十二のころ三のころ――あいにくこの篇の著者に、経験が、いや端的に
体験といおう、……
体験がないから、そのおもしろいのは、女か、男か。勿論|誰に聞か....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
にも一つあり、遠く能登の奥深い処にもある、と憶う。しかるに前述、獅子屋さん直槙の
体験談を聞くうちに、次第に何となく、この話に、目鼻がつき、手足が生えて、獣か、鳥....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
者の視聴内にあった乎否乎は二葉亭はかつて明言しなかった。ただその頃の作家は自分の
体験をありのままに書き周囲の人物をモデルとするような事は余り做なかったから、『浮....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
点に、積極的考慮が払われるべきではないだろうか。 軍事学については、戦術方面は
体験的であるため自然に日本式となりつつあるものの、大戦略即ち戦争指導については、....