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何たる
「何たる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何たるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
いかわらず》悠々と読書をしている。僕はこの通り野蛮人《やばんじん》だから、風流の
何たるかは全然知らない。しかし若槻の書斎へはいると、芸術的とか何とかいうのは、こ....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
えられた物語である。何でも彼等が三人ながら、おん教を捨てるとなった時には、天主の
何たるかをわきまえない見物の老若男女《ろうにゃくなんにょ》さえも、ことごとく彼等....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
なり。断じて一切諸悪の根本にあらず。
ああ、汝、提宇子《でうす》、すでに悪魔の
何たるを知らず、況《いわん》やまた、天地作者の方寸をや。蔓頭《まんとう》の葛藤《....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
葉も通ぜず、日を経《ふ》るに従うてものをいうことさえ忘れるような気がするというは
何たる事！
殊《こと》に今朝《けさ》も東雲《しののめ》に袂《たもと》を振り切っ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
足らず思う時が遂に来ようとしている。まだいくらか誠実が残っていたのはお前に取って
何たる幸だったろう。お前は絶えて久しく捨ておいた私の方へ顔を向けはじめた。今、お....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
在しない中の一部は此の如や半ば焼かれて此の如く泥草鞋に蹂躙られつゝある。嗚呼是れ
何たる惨事であろう。 此満目傷心の惨状に感慨禁ずる能わず、暫らくは焼けた材木の....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
人を捕らえかねて、島内がまるで蜂の巣をつついたように騒ぎまわっているとは、一たい
何たるざまだ。リット、お前は、何のために、大勢のすぐれた部下を率いているのだ」 ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
と、せきこんで、 「……外廻りをするにして、要心に事を欠いた。木魚を圧に置くとは
何たるこんだ。」 と、やけに突立つ膝がしらに、麦こがしの椀を炉の中へ突込んで、....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
んでいる時なんざ、なおのこと、何にも思わないでその事ばかり。ああ、人の妻の身で、
何たる恐しい了簡だろうと、心の鬼に責められちゃあ、片時も気がやすまらないで、始終....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
の君の縁者、勇美子には再従兄に当る、紳士島野氏の道伴で、護謨靴と歩を揃えながら、
何たる事！ 藁草履の擦切れたので、埃をはたはた。 歩きながら袂を探って、手帳と....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
の数年来一つの現象が起きているのだ。かつて私の目には曙のひかりで現れだした。愛の
何たるかを知ったことが、私をして、詩のような愛情をさえ厭うようにしてしまった。 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
者がこんな怪我をしてるのに、医者に寄越すッて、ないら病の猫を押放したような工合は
何たる処置だい、姉さんをつけて寄越さないまでも、腕車というものがないのじゃあなか....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、「喝。」と太筆が一字｜睨んでいる。杜若、姫百合の、およそ花にも恥じよ、「喝。」
何たるものぞ、これだから、私は禅が。…… はてな、雪の家の、ここの旦那なるもの....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
広瀬中佐の海軍葬広告と相隣りしていたというはその後聞いた咄であるが、これこそ真に
何たる偶然の皮肉であろう。緑雨は恐らく最後のシャレの吐き栄えをしたのを満足して、....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
月ほど百姓の生活がしてみたい。おそらくそれが僕にはよい利き目があるだろう。諦念！
何たる悲しい隠れ家だ！ しかも、それのみが今の僕に残されている唯一の隠れ家だとは....