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「何とも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

何ともの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カルメン」より 著者:芥川竜之介
れは勿論舞台よりもイイナ・ブルスカアヤを見ていたためである。この男を殺したことを何とも思っていないらしい露西亜のカルメンを見ていたためである。 ....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
言《ことば》を述べた。 「夜中《やちゅう》、殊に御忙しい所を御邪魔に上りまして、何とも申し訳の致しようはございませんが、ちと折入って先生に御願い申したい儀がござ....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
を得ないじゃないか? 「若槻は僕にこういうんだ。何、あの女と別れるくらいは、別に何とも思ってはいません。が、わたしは出来る限り、あの女の教育に尽して来ました。ど....
」より 著者:芥川竜之介
わが》れ声になった。 「お前だろう。誰だ、お前は?」 もう一人の陳彩は、しかし何とも答えなかった。その代りに眼を挙げて、悲しそうに相手の陳彩を眺めた。すると椅....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
だちにも、やっぱり嘘をおつきなすったの。」 「ああ、やっぱり嘘をついたよ。始めは何とも云わなかったのだが、ふと友達にこの指環《ゆびわ》を見つけられたものだから、....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
い眼をしながら、やけに葉巻をすぱすぱやった。お蓮は寂しい顔をしたなり、しばらくは何とも答えなかった。 十 「あの白犬が病みついたのは、――そ....
煙管」より 著者:芥川竜之介
一瞥を与えたなり、小腰をかがめて行ってしまった。同席の大名は、勿論拝見したいとも何とも云わずに、黙っている。斉広には、それが不思議であった。 いや、不思議だっ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
せた。その間も母の熱臭いのがやはり彼には不快だった。しかしお律はそう云ったぎり、何とも後《あと》を続けなかった。洋一はそろそろ不安になった。遺言《ゆいごん》、―....
おしの」より 著者:芥川竜之介
ら用向きを話し出した。新之丞は今年十五歳になる。それが今年《ことし》の春頃から、何ともつかずに煩《わずら》い出した。咳《せき》が出る、食欲《しょくよく》が進まな....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
め》のついた栗毛《くりげ》の馬の脚に変っていたのである。彼はこの脚を眺めるたびに何とも言われぬ情《なさけ》なさを感じた。万一この脚の見つかった日には会社も必ず半....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
悪事の罰を下してやろうと思っている」 婆さんは呆気にとられたのでしょう。暫くは何とも答えずに、喘ぐような声ばかり立てていました。が、妙子は婆さんに頓着せず、お....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
赤木は即座に妙な句ばかりつづけさまに諳誦した。しかし僕は赤木のように、うまいとも何とも思わなかった。正直に又「つまらんね」とも云った。すると何ごとにもムキになる....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
んというようなことを聞かされても、ファラデーは自分で実験して見たものでなければ、何とも返事が出来なかった。 多くの学者は学生や門弟を使うて研究を手伝わせるが、....
狂人日記」より 著者:秋田滋
む一種族の生きものとは、そもいかなるものであろうか。彼等は、利口で、殺すことなど何とも思ってないのだ。個々の人間などは問題にはならないので、彼等は敵を殺す、それ....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ないだろうか?」 と代官は言い出しました。 「さあ……」と言ったきり、長左衛門は何とも後の句が出なくなりました。何故といいますと太郎右衛門が朝太郎をこの上もなく....