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「何も彼も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

何も彼もの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
彼には勿体《もったい》ない気がした。 「寝るが極楽。寝るが極楽………」 玄鶴は何も彼も忘れる為に唯ぐっすり眠りたかった。実際又甲野は彼の為に催眠薬を与える外に....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
復讐《ふくしゅう》の神をジュピタアの上に置いた希臘人《ギリシアじん》よ。君たちは何も彼も知り悉《つく》していた。 又 しかしこれは同時に又如何に我我....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
変らない、鮮《あざやか》な唇を震わせながら、「それがみんな裏を掻かれて、――もう何も彼も駄目でございますわ。」と、細く透る声で答えました。それからお敏が、この雷....
春昼」より 著者:泉鏡花
のが、傍目にも見えたであります。 四、五日、引籠ってござったほどで。 後に、何も彼も打明けて私に言いなさった時の話では、しかしまたその間違が縁になって、今度....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
瓦斯は、一時性の神経麻痺瓦斯だ。それを嗅いだベルギー兵は、恍惚となって、しばらく何も彼もわからなくなった。もちろん、機関銃の引金を引くことも忘れて、とろんとして....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
て? なんだか、なにもかも判らない尽しだナ」 「そうだろう。いや、夜が明けると、何も彼もが、まるで様子が違っちまったのだからネ」 そういって、やがて兄が顛末を....
転機」より 著者:伊藤野枝
―」 同じ事ならこんな誤謬にみちた生活にこびりついていなくたって、いっそもう、何も彼も投げすてて広い自由のための戦いの中に、飛び込んでゆきたいと思うのだった。....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
したらしい。小宮山はずっと寄って、その背を叩かぬばかり、 「どうした。」 「もう何も彼も御存じの事だから、ちっとも隠す事はない、ただ感謝するんだがね、君が連れて....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ら、疾くに御存じでござりましょう。」 若山は色を動かして、 「そうか、私はまた何も彼も思切って、わざと新聞なぞは耳に入れないように勤めているから、そりゃちっと....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
んだりする時にはちょっと意識が戻りかけますが、それとてホンの一|瞬の間で、やがて何も彼も少しも判らない、深い深い無意識の雲霧の中へとくぐり込んで了うのです。私の....
好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
たことを覚えています。 束髪 その頃、というと明治二十一年頃、えらい何も彼も西洋が流行った頃で、束髪がちらほら出かけていました。後ろを円く三ツ組に編....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
が流行で、だんだん旧いことが廃れてゆきます。これは絵のことばかりではありません、何も彼も旧いものは廃れてゆく時代なのですから、なおさら心して旧いものを保存したい....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
が古いお弟子になると感染している方があります。 これでこそほんとだと思います。何も彼もが師匠は豪いという気がしてる弟子の目には、師匠の行住座臥すべてが憧れの的....
靄の彼方」より 著者:上村松園
する作品というものは、なかなかないものです。共鳴する作品と申しますと、その作品の何も彼もが、こちらの心持ちへ入ってきて、同じ音律に響くということになるのですから....
座右第一品」より 著者:上村松園
女の絵ばかり描くようになってしまいましたが、修業を始めました頃は申すまでもなく、何も彼も写しました。もっとも自然好きで人物の絵の方が多くはありますし、その内でも....