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何やかや
「何やかや〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何やかやの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
老の男は私には丁寧《ていねい》に 「自分も絵の端くれを描きますが、いや、その他、
何やかや八百屋でして」 男はちょっと軒端《のきば》から空を見上げたが 「どうだ....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
が遠からず京地を引払うに就いては、上《かみ》の御用は申すに及ばず、銘々の支度やら
何やかやで、きのう今日は誰もが眼がまわるほどに忙がしい最中に、短い冬の日を悠長ら....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
アとの掛声で棉もぎにかかる。午後の分は僅であったから一時間半ばかりでもぎ終えた。
何やかやそれぞれまとめて番ニョに乗せ、二人で差しあいにかつぐ。民子を先に僕が後に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
七の家へ使をやると、彼はもう出てしまったあとなので、どうすることも出来なかった。
何やかやと捫着《もんちゃく》しているうちに、徳蔵の声はだんだん大きくなるので、山....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
しく蜘蛛の巣が見える。床の間にはたたんだ六枚折りの屏風が立てかけてあって、ほかに
何やかやごてごてと置いてある。みえも飾りもないありさまである。 若夫婦は四、五....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
の班長の稲熊軍曹が、急に意地悪くなり出した。そして二人で僕のあとを嗅ぎ廻っては、
何やかやと生徒監に報告した。 その結果はほとんどのべつ幕なしの外出止めとなった....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
普通に礼を返した。 話はぽつんとそれで切れた。好奇心で一ぱいのかの女には却って
何やかや観察の時間が与えられ都合がよかったが、常識的の社交の儀礼に気を使うらしい....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
あっけないくらいに無事に過ぎた。そして彼等は一人のフィリッピンの学生をつかまえて
何やかやとひつっこく尋ねていた。 上海に着いた、そこの税関の出口にも、やはり私....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
もない婆々が許でも、お休み下さりますお人たちに、お茶のお給仕をしておりますれば、
何やかや賑やかで、世間話で、ついうかうかと日を暮しますでござります。 ああ、も....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
ので、お妻の嫁入り支度もひと通りでは済まない。それも万々承知の上で、由兵衛夫婦は
何やかやの支度に、この頃の短い冬の日を忙がしく送っていた。 十一月になって、結....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
人には子供はないけれども、親戚は随分と多かった。彼等は常に老人の周囲に出没して、
何やかやと世話を焼きたがった。中には親戚というには、余りに縁の遠いものまで交って....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
きつけた筆のすさびが、いつともなしに世に洩れて、諸人の眼にも触れ耳にも伝えられ、
何やかやと物珍らしげに言い囃さるるは、近ごろ面目もない儀でござるよ。はははははは....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
ねえ、三津平さん。 三津平 わたしも皆さんの顔をこしらえに来て、舞台の上のことも
何やかやとお世話をしているので、衣裳や持物はみな一と通り調べましたが、五助さんの....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
そこどころじゃねえ、フウそうして、」 「あとで聞いたら何だとさ、途中の都合やら、
何やかやで、まだその時お午飯さえあがらなかった、お弱い身体に、それだもの、夜露に....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
ぼし掌を合せ僧を伏拝むのだった。違った店の気配に楼主その他も出て来て事情を聴き、
何やかや持出して来たが、僧は淡如として言った。 ――一人の腹だ、そうは入らんよ....