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「何れも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

何れもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
白い紐と、青の紐と此三種の異なりたる紐を出し、少しく引摺って見た、然るに其結果は何れも赤紐に来たのである、更に此通りにして第二回の調査を為したるに、又同じく何れ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
悔は強かった。父はこの騒ぎの間に愛する妻を失い、年頃前後の子供三人を失っている。何れもこの騒ぎの影響を多少とも受けているであろう。家によってのみ生きている旧家の....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
臭い臭いが充満していた。 無難に持出した帳場デスクの前に重役連が集まっていた。何れも外套帽子のまゝの下駄がけであった。重役の一人の繃帯が誰の目にも着くので直ぐ....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
って片手や片足を出しとるもんもあったり、からだが離ればなれになっとるんもあった。何れも、腹を出しとったんはあばらが白骨になっとる。腹を土につけとったんは黒い乾物....
火星兵団」より 著者:海野十三
にたたずみながら、くやしさに涙をぽろぽろと落した。 たくさんの火星のボートは、何れも皆着陸が終ったらしい。空中を飛ぶあの大きな音も、もう聞えなくなった。そうし....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ょうが、ただ当時の男子にとりて何よりの娯楽は猪狩り兎狩り等の遊びでございました。何れも手に手に弓矢を携え、馬に跨って、大へんな騒ぎで出掛けたものでございます。父....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
とか、頓珍漢な理窟とか、嘘や出鱈目とかは、私の知れる限りに於て、全然痕跡もなく、何れも皆真面目な教訓、又は忠言のみであった。 『初期の通信は、前にも言った通り皆....
犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
犬養君に就いて 芥川龍之介 犬養君の作品は大抵読んでいるつもりである。その又僕の読んだ作品は何れも手を抜いたところはない。どれも皆丹念に出来上っている。若し欠点を挙げるとす....
鴨猟」より 著者:芥川竜之介
合い、そこから発動機船を仕立てさせて大川をくだったと覚えている。小杉君や神代君は何れも錚々たる狩猟家である。おまけに僕等の船の船頭の一人も矢張り猟の名人だという....
東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
は、どこにあるのも見にくいものゝみである。その外、電車、カフエー、並木、自働車、何れもあまり感心するものはない。 しかし、さういふ不愉快な町中でも、一寸した硝....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
僧がそれを見たので、娘の父が憤って、熊猟に用いる槍で突殺したともいう。その死骸は何れも炭焼|竈に入れて灰にしてしまうのが例とやら。 「それで拙者に毒蛇を投げつけ....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
の勁敵、槍ヶ岳や大天井との相撲には、北穂高東穂高の二峰がそれぞれ派せられている、何れも三千米突内外の同胞、自ら中堅となって四股を踏み、群雄を睥睨しおる様は、丁度....
想い出」より 著者:上村松園
宗の松年先生に師事致しました。女学生は私の他にも各宗に二人位ずつ居られましたが、何れも途中から姿を消してしまい、ただ前田玉英さんだけが残りまして、その後玉英さん....
蘭郁二郎氏の処女作」より 著者:大倉燁子
けでも心霊学に造詣ふかい方だと想像される。「夢鬼」以下五つの短篇を添えてあるが、何れも興味ふかく読んだ。「歪んだ夢」もやはり心霊小説のような気がした。この五篇の中では「魔像」が一番面白かった。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の研究によって長短相補う如くせねばならぬ。例えば、東ソ連の航空基地は満州国境から何れも(西方は別として)余り遠くなく、しかも極東には有利なる空爆目標に乏しいので....