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何処か
「何処か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何処かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いる。しかし種々の鑑賞を可能にすると云う意味はアナトオル・フランスの云うように、
何処か曖昧《あいまい》に出来ている為、どう云う解釈を加えるのもたやすいと云う意味....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
聞える、と小児の時に聞いたのを、私は今も疑いたくない。 で、家中が寝静まると、
何処か一ケ所、小屏風が、鶴の羽に桃を敷いて、すッと廻ろうも知れぬ。……御睦ましさ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
られるかも知れないけれども、偽善者は凡て、偽善者でなかったらよかろうという心持を
何処かの隅に隠しながら持っているのだ。私も少しそれを持っていたばかりだ。 義人....
「春昼」より 著者:泉鏡花
り、納戸へなりのたくり込めば、一も二もありゃしない。それまでというもんだけれど、
何処か板の間にとぐろでも巻いている処へ、うっかり出会したら難儀だろう。 どの道....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
手が人間で、己れっち見たいな不器用者は虫なんだ。 見ねえ、死って仕舞やがった。
何処からか枯れた小枝が漂って、自分等の足許に来たのをヤコフ・イリイッチは話しなが....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
がいまを壮に咲いていた。丈高く伸びたのは、車の上から、花にも葉にも手が届く。――
何処か邸の垣根|越に、それも偶に見るばかりで、我ら東京に住むものは、通りがかりに....
「白い下地」より 著者:泉鏡花
立たない。青にしろ、浅葱にしろ、矢張着人によって、どんよりとして、其の本来の色を
何処かに消して了う。 要するに、其の色を見せることは、其の人の腕によることで、....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
を蔽うて、何物にも目を遮らせず、山々の茅薄と一連に靡いて、風はないが、さやさやと
何処かで秋の暮を囁き合う。 その蘆の根を、折れた葉が網に組み合せた、裏づたいの....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
た末に、往来の人に打突ったり、垣などに打突ったりして、遂には村はずれまで行って、
何処かの空地に逃げ込むより外はない。人の目にかからぬ木立の間を索めて身に受けた創....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
ても、二度と乗って見ようと思った事はない。唯その時の土工の姿は、今でも良平の頭の
何処かに、はっきりした記憶を残している。薄明りの中に仄めいた、小さい黄色の麦藁帽....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
じゃないか。第一こんな自由な生活はないね。居処って奴は案外人間を束縛するもんだ。
何処かへ出ていても、飯時になれあ直ぐ家のことを考える。あれだけでも僕みたいな者に....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
し出した。それでも蛇笏には注意していた。或時句作をする青年に会ったら、その青年は
何処かの句会に蛇笏を見かけたと云う話をした。同時に「蛇笏と云うやつはいやに傲慢な....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
山水となるのは当然である。 近藤君の画は枯淡ではない。南画じみた山水の中にも、
何処か肉の臭いのする、しつこい所が潜んでいる。其処に芸術家としての貪婪が、あらゆ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
。あれが座敷へでも入りますか、知らないでいて御覧なさいまし、当分|家を明渡して、
何処かへ参らなければなりませんの。真個にそうなりましたら、どうしましょう。お庇様....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
、探偵小説なるものを芸術的に、文学的に、グウとレベルを引上げたのである。つまり、
何処から見ても立派な芸術的文学とまで発展させていたのであるから、これまでの探偵小....