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何処ぞ
「何処ぞ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何処ぞの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を抱えて、全身は枯痩し、宛然草紙にある餓鬼の姿よりなき幹枝を見れば、ありし日の俤
何処ぞやと嘆ずるのほかなく、転変の鉄鎖の冷たさは、夢幻まさに泡影の如しというべし....
「学生時代」より 著者:幸田露伴
ような事は、実際ほとんど無いと云ってもよいのです。ですから平に御断りを致します。
何処ぞの学校の寄宿舎にでも居ったとか何とかいう経歴がありましたら、下らない談話で....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
奉公でもしたら宜かろう」 大「拙者も然う思ってる、迚も国へ往ったっていけんから、
何処ぞへ取付こうと思うが、御当家でお羽振の宜いお方は何というお方だね」 權「私ア....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
んかわたしには出来ない、其様に出たければあなた一人で勝手に何処へでもお出なさい、
何処ぞへ仕事を探がしに御出なさい、と突慳貪に云うンです。最早私も堪忍出来なくなり....
「とも喰い」より 著者:本庄陸男
がおそく蒔付けが晩れた。そこへ水害だ。おまけに秋は途法もなく早く霜を降した。 「
何処ぞは戦争が起ったそうな。一体どなになるんぞ、ええ?」 「ええ具合に吹雪いて来....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
白からず、栄華を誰と共に、世も是迄と思い切って後妻を貰いもせず、さるにても其子|
何処ぞと種々尋ねたれど漸くそなたを里に取りたる事ある嫗より、信濃の方へ行かれたと....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
りに怒喝を加えて抛棄てて気を宜くしたのであろう。もっとも初から捨てさせるつもりで
何処ぞで呉れ、捨てるつもりで被て来たには相違無いわびしいものであった。 少し速....
「蟹の怪」より 著者:田中貢太郎
ゅんに入るのを待っていた。 「今度はお種さんの番じゃ、はよう入るがいい、良い人が
何処ぞで待ちよる」 お種の後から来ている老人がからかいながら云った。すると風呂....
「ほととぎす」より 著者:堀辰雄
知れずのようになられていた頭の君が、実はいつの間にやら他人の妻を偸《ぬす》まれて
何処ぞへこっそりとお姿を暗《くら》ましてしまわれたのであるという事が分かったのは....
「かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
。私はそれを受け取って、その紙の上に「所詮生れ変らねばと思っては居りますけれど、
何処ぞあなた様がわたくしの前を素通りなされるのを見ずにもすむような所がござりまし....
「風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
きらきら光っている一つの莟がなんだか気になってならないと云った風をしていた。 「
何処ぞいいところはないかとこの間うちから物色しとるのだがね――」と父はそんな私に....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
摩の煙が大分薄いな――と思った位の事で、主人は行儀よく坐って居りましたし、他には
何処ぞと云って……」 「では、帰りにはどうでした?」 「帰り途は、薬師堂の裏を通....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
の恥かしいのと云ったところで、所詮吾々は人間の赤裸々で、鳥ではないのだからして、
何処ぞへ飛び去るわけにも行くまい、というのである。「やさし」は、恥かしいというこ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は真剣に顔を引き緊め、一歩一歩階段を下りながら云い始めた。「大体、其処以外には、
何処ぞと云って、推摩居士の肉体に理論上ああ云う作用を、現わす部分がないのだからね....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
えておるではないか」
綱手は、蒼白になって、膝も、手も、口も顫わせていた。
「
何処ぞ、悪いのかの」
綱手は、黙って、首を振った。袋持が、振向いた。そして、じ....