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「何処も彼処も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

何処も彼処もの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島崎藤村
答えるお種の顔には憂愁の色が有った。それを彼女は苦笑で紛わそうともしていた。 「何処も彼処も後家さんばかりに成っちゃった」 「三吉――俺は未だ後家の積りじゃ無い....
光と風と夢」より 著者:中島敦
。私の倒れている鼻の先には、高い黒い塀が突立っている。夜更のアピアの街のこととて何処も彼処も真暗だが、此の高い塀は、其処から二十|碼《ヤード》ばかり行くと切れて....
小景」より 著者:宮本百合子
な面白いものを見ているのか、と云う風で。 彼は、一寸立ち止る。じろりと見渡す。何処も彼処も、彼には一向面白可笑しくもないラムプスタンドばかり並んでいるのを認め....
愚かな男の話」より 著者:岡本かの子
に愚な男があった。知人が家屋を新築したというので拝見に出かけた。普請は上出来で、何処も彼処も感心した中に特に壁の塗りの出来栄えが目に止まった。そこで男は知人に其....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
くこんなことが空想されたが、併しこの何ヵ月は、それが何処からも出ては来なかった。何処も彼処も封じられて了った。一日々々と困って行った。蒲団が無くなり、火鉢が無く....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
き、その町を貫いている街道を横ぎって、やがて江戸城の下まで行った。 この辺は、何処も彼処も、夥しい濠が掘られ、その埋土の上に侍屋敷だの、大名の豪壮な門ができて....
醤油仏」より 著者:吉川英治
る頭を押えながら考えてみた。休み日じゃない! 風呂屋の休み日にしろ、こう揃って、何処も彼処も休みという筈がない。 それから伝公は気違いのようになって、湯屋湯屋....