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「何所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

何所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
わせた男が一緒に行ってやるから待てととめた。そういわれて見ると彼れは自分の小屋が何所《どこ》にあるのかを知らなかった。 「それじゃ帳場さん何分|宜《よろ》しゅう....
溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
晩まで、沢山の人が集って来て、砂山からでも見ていると、あんなに大勢な人間が一たい何所《どこ》から出て来たのだろうと不思議に思えるほどですが、九月にはいってから三....
酒中日記」より 著者:国木田独歩
「母上《おっか》さん、それは余《あんま》りで御座います」とようように一言、母は何所《どこ》までも上手《うわて》、 「何が余《あんまり》だね、それは此方《こっち....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
民子と二人で茄子《なす》をとった畑が今は青々と菜がほきている。僕はしばらく立って何所《いずこ》を眺めるともなく、民子の俤を脳中にえがきつつ思いに沈んでいる。 「....
クララの出家」より 著者:有島武郎
基督は痛ましくも痩せこけた裸形のままで会衆を見下ろしていた。二十八のフランシスは何所といって際立って人眼を引くような容貌を持っていなかったが、祈祷と、断食と、労....
文明国には必ず智識ある高等遊民あり」より 著者:内田魯庵
遊民は如何なる国、何れの時代にもある。何所の国に行っても全国民が朝から晩まで稼いで居るものではない。けれども、国に遊民....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
充実を感じたための死に対する思慕ではあるまいか。 われらは人間の有する性情を「何所より」「何処へ」「何のために」「かくあるべし」と詮索するよりも「何である」と....
怪塔王」より 著者:海野十三
のです。 とうとう帆村は、浪にのまれて溺れ死んでしまったのでしょうか。それとも何所かに生きているのでしょうか? 洞穴のなかを、荒潮は大臼をひきずるような音をた....
獏鸚」より 著者:海野十三
なるほど「獏鸚」という二字が見えるが、何のことだか見当がつかない。 「一体これは何所で手に入れたのかネ」 「そんなことを訊かれては、まるで事件を説明してやるため....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
は真蒼になっていた。富岡老人は床に就いていてその枕許に薬罎が置いてある。 「オヤ何所かお悪う御座いますか」と細川は搾り出すような声で漸と言った。富岡老人一言も発....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たり、入ったり、うろうろするようになりましては、それ等の一|切はいつとはなしに、何所かえ消える、というよりか、寧ろ遠のいて了います。誰かが枕辺で泣いたり、叫んだ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の絶大の敬慕を贏ち得たが、健康が許さないので、一八六八年他の教区に転任した。彼は何所へ行っても、すぐれた人格者として愛慕されたのであるが、たまたま咽喉を病み、演....
役者の顔」より 著者:木村荘八
人は地顔の眼の小ささがそのまま舞台顔へ乗って、冴えません――切角の廓話しの禿が、何所か多分鬘の操作がわるい為でしょう、後頭部の生えぎわからかけて横向きの頭部に「....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すけれども、その日は一つのカムツァン(僧舎)に二人か三人しか居らない。だからまあ何所へいっても人がおらないようなものです。それ故夜通し荷造りをしても、あるいは翌....
西航日録」より 著者:井上円了
クよりボストン行きの途上、うそぶくこと左のごとし。 昨夜辞新府、今朝到北陲、車窓何所見、草野緑無涯。 (昨夜|新府を離れて、今朝は北辺の地に至る。車窓から見える....