何時かは[語句情報] »
何時かは
「何時かは〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何時かはの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「性急な思想」より 著者:石川啄木
るならば、その人の場合に於て「近代的」という事は虚偽である。我々は、そういう人も
何時かはその二重の生活を統一し、徹底しようとする要求に出会うものと信じて、何処《....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
を与え、私には私のものを与えてくれる。しかも両者は一度は相失う程に分れ別れても、
何時かは何処かで十字路頭にふと出遇うのではないだろうか。それは然し私が顧慮するに....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
…土人達は之を以て、来るべき戦争の前兆と真面目に考えている。彼等は、マターファが
何時かは立上って、ラウペパと、白人達の政府《マロ》とを倒すであろうと期待している....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
とで、愈々考えを集注した。 「兵力を以て、イランに侵入するということは、いずれ、
何時かは、アフラシャブに強制されてでもしなければならないことではないか。怯懦の癖....
「極楽」より 著者:菊池寛
く。が、前途だけには、ほの/″\とした光があった。どんなに、此道が長く続いても、
何時かは極楽へ行けるのだ。有難い御説教で、幾度も聞かされた通りお浄土へ行けるのだ....
「お菜のない弁当」より 著者:本庄陸男
工場裏の芝生では、安賃銀の臨時傭達が男女と混み合って粗末な弁当を開いていた。
何時かは常傭工になれるだろうと、もう長い間戦争準備の陸軍食料工場でこき使われてい....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
刑を課せられるならば止むを得ない。しかし人間はそこまで悪くはできていないだろう。
何時かは清水はやっていないといってくれるだろう。私は泉川検事に最後に血涙をしぼっ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
来るから、寧ろ私は何等の時間を失うことなく毎日寝て暮すことが出来る。それが、死が
何時かは来るものだから、仕事は一定の時期の内に片づけられなくてはならなくなる。こ....
「辞典」より 著者:戸坂潤
ていたのであり、アメリカを目してブルジョア社会の「未来の土地」であるとなし、之が
何時かは全ヨーロッパの脅威となるだろうと云っている。「全ヨーロッパはアメリカ人の....
「正義の国と人生」より 著者:桐生悠々
的に、地球上に存在していないことを知っていないのだ。だが、「正義の国」は時間的に
何時かは地球上に存在しよう。私たちは、これを信ずる。これを信じないならば、私たち....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
之松はあの晩お山の頼みで、総仕舞いをしてやったばかりなのであった。 「どっちみち
何時かは俺と林蔵とは、命の遣り取りをしなければならねえ、そこ迄の事情に逼っている....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
しの話である。よって、私は、この奇妙な話はまことに不思議ともいうべきであるから、
何時かは何かに書き残して置きたいとも思っていたのですが、ここにそれを差し控え、今....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
原因は局長の更任に続いて恩師古川の理由なき罷免に対する不満であったが、それ以外に
何時かは俗吏の圏内を脱して自由の天地に※翔しようとする予ての志望が幇助っていた。....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
行るようになったのである。 安治川舟三は、殺された坑夫を自分の眼で見た。そして
何時かはその酬いが身に返って来ると固く信じていた。しかし、今こんなに早く来るとは....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
に封じこまれていても、この種の「秘密」は必ずその「箱」のどこかに漏口を見出して、
何時かは子供の前に多かれ少なかれ流れ出る。私の場合、この「箱」は非常に堅牢なもの....