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何某
「何某〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
何某の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
された。
それから、十年余りのち、尼になって、子供を養育していた阿濃は、丹後守
何某《たんごのかみなにがし》の随身に、驍勇《きょうゆう》の名の高い男の通るのを見....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
だ》に伝吉の枡屋の娘を誘拐《ゆうかい》したり、長窪《ながくぼ》の本陣《ほんじん》
何某へ強請《ゆすり》に行ったりしたことを伝えている。これも他の諸書に載せてないの....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
屋が来ればひそみ、畳屋が来ても寄りつかない。 いつかは、何かの新聞で、東海道の
何某は雀うちの老手である。並木づたいに御油から赤坂まで行く間に、雀の獲もの約一千....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
家庭? へ顔出しをする筈がない。と一度は怪んだが、偶然河野の叔父に、同一道学者|
何某の有るのに心付いて、主税は思わず眉を寄せた。 諸家お出入りの媒妁人、ある意....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
ら、雑所は灰になろう。 垣も、隔ても、跡はないが、倒れた石燈籠の大なのがある。
何某の邸の庭らしい中へ、烟に追われて入ると、枯木に夕焼のしたような、火の幹、火の....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、翼に金剛石を鏤め、目には血膸玉、嘴と爪に緑宝玉の象嵌した、白く輝く鸚鵡の釵――
何某の伯爵が心を籠めた贈ものとて、人は知って、(伯爵)と称うるその釵を抜いて、脚....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。……何事も言うには及ばん。――私が口で饒舌っては、流儀の恥になろうから、まあ、
何某と言ったばかりで、世間は承知すると思って、聞きねえ。 ところがね、その私た....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、好、悪、その季節、花の名、声、人、鳥、虫などを書きしるして、揃った処で、一……
何某……好なものは、美人。 「遠慮は要らないよ。」 悪むものは毛虫、と高らかに....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
って、すべてを打明けて泣いたんです。 その頃は、もう生れかわったようになって、
何某の令夫人だった貴婦人は、我が身も同じに、悲み傷んで、何は措いても、その悪い癖....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
下駄音と共に消すのも、満更厭な気ばかり起させる訳でもない。 私も嘗て、本郷なる
何某と云うレストランに、久米とマンハッタン・カクテルに酔いて、その生活の放漫なる....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
番地所在の家屋に住む者は連続的に二発放たれた銃声に夢を破られた。銃声の聞えたのは
何某氏の部屋だった。ドアを開けてみると借家人の某氏は、われと我が生命を断った拳銃....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ある。 ――今朝も、その慈愛の露を吸った勢で、謹三がここへ来たのは、金石の港に
何某とて、器具商があって、それにも工賃の貸がある……懸を乞いに出たのであった――....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
三里|山越にて、杉谷という村は、山もて囲まれたる湿地にて、菅の産地なり。この村の
何某、秋の末つ方、夕暮の事なるが、落葉を拾いに裏山に上り、岨道を俯向いて掻込みい....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
来たが、深川の勝山、まだ世盛の頃で、お夏その時は高島田の、年紀十七であった。 (
何某。)とかの筆を持った一人が声を懸けると寝台の上に仰向けになっていたのは、辷り....
「活人形」より 著者:泉鏡花
森の梢に並ぶ夥多寺院の甍は眩く輝きぬ。処は相州東鎌倉雪の下村……番地の家は、昔|
何某とかやいえりし大名|邸の旧跡なるを、今は赤城得三が住家とせり。 門札を見て....