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「何遍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

何遍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
しい顔を丹念に拾っていった。だがどれ一つとして、自分の心当たりのそれがなかった、何遍くりかえして見ても、同じだった。 「ふむ、すばらしいぞ。これは、新しいロマン....
深夜の市長」より 著者:海野十三
置いて下さいな。いや、どうも済みませんでしたね」 そういって「深夜の市長」は、何遍も丁寧に頭を下げた。そして僕を促して、そこを立ち去ったのである。 「どうもお....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
君は少年の屍体の辺もよく探してみたかネ」 「もちろん懐中電灯で探したんだけれど、何遍やってみても見つからなかったんです」 「ほう、そうかネ」 少年は青竜王の顔....
地中魔」より 著者:海野十三
を消してしまったのだから、驚くのも無理はない。 黒山のようにたかった人々は目を何遍もこすって胆をつぶした。 百貨店ビルディング紛失事件! 消えたビルデ....
地球盗難」より 著者:海野十三
あんな恐いもの知らへんがのう。どう見ても幽霊じゃ。先生が寝とらす周りをグルグルと何遍も廻っていたがのう」 「ナニ僕の寝ている周りをグルグル廻っていた?……やっぱ....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
て、如何なる生活様態をとるものであろうか? どうです。今度は分りましたろう」 「何遍聞いても、分りそうもないわい。結着のところ、やがて人類はどんな風な暮し方をす....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
気な白木警部は穏かに制して、「なるほど突飛すぎる程の事件だが、僕はこの家を前から何遍も見て通った時毎に、なんだか変なことの起りそうな邸じゃという気がしていたんだ....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
、因業だ。」 「なにその、いわっしゃるほど因業でもねえ。この家をめざしてからに、何遍も探偵が遣って来るだ。はい、麻畑と謂ってやりゃ、即座に捕まえられて、吾も、は....
寡婦」より 著者:秋田滋
一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さな指環にふと目をとめた。その時までにも何遍となく見たことはあったのだが、別に気にとめて考えてみたこともなかったのである....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
その頃は『八犬伝』のドコかが三冊や四冊は欠かさず座右にあったのだから会心の個処は何遍読んだか解らない。(私には限らない、当時の貸本屋フワンは誰でもだったが)信乃....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
あげるぜ」 と言った。母は大いに悦んで、易者に、 「おおきに、おおきに」 と何遍も頭をさげていたのを覚えている。 私はたいてい女性の絵ばかり描いている。 ....
清心庵」より 著者:泉鏡花
もう旦那様に申しあげて、あら立ててはお家の瑕瑾というので、そっとこれまでにお使が何遍も立ったというじゃアありませんか。 御新造様は何といっても平気でお帰り遊ば....
妖怪学」より 著者:井上円了
し、嫌いなれば依然たり。このときもまた手を浮かぶるなり。左右回りに代うるに御傾き何遍と望むも、あえて効なきにあらず、かえって効あり。その他、なんの数を問うも、な....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いよいよ力を文学方面に伸ばさしめようと百方勧説した。その度毎に苦い顔をされたが、何遍苦い顔をされても少しも尻込しないで口を酸くして諄々と説得するに努めたのは社中....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
ぎて学海翁を尋ねると、翁からも同じ話を聴かされたが、エライ男です、エライ男ですと何遍となく繰返した。 この作が『露団々』であった。露伴の処女作はこれより以前に....