余人[語句情報] » 余人

「余人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

余人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
、落ちそうになる。――それを、沙金《しゃきん》が、かたわらからそっとささえた。十余人の盗人たちは、このことばを聞かないように、いずれも唾《つ》をのんで、身動きも....
文放古」より 著者:芥川竜之介
文放古に好奇心を感じたのは勿論《もちろん》である。のみならず偶然目についた箇所は余人は知らずわたし自身には見逃しのならぬ一行《いちぎょう》だった。―― 「芥川龍....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ような場合に立ち至って見れば、その汚名も受けずには居《お》られますまい。まして、余人は猶更《なおさら》の事でございます。これは、仇討《あだうち》の真似事を致すほ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
である。しかしこの※を話しつづけたトルストイの心ほど傷ましいものはない。彼の※は余人の真実よりもはるかに紅血を滴らしている。 二つの悲劇 ストリント....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
来ると、僕の父は僕を待ち兼ねていた。のみならず二枚折の屏風《びょうぶ》の外に悉く余人を引き下らせ、僕の手を握ったり撫《な》でたりしながら、僕の知らない昔のことを....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
と思いましたが、打ち明けてそう尋ねる訣《わけ》にも行かず、また尋ねたにした所で、余人の知っている筈もありませんから、帰り※々《そうそう》知らせてくれるようにと、....
或る女」より 著者:有島武郎
おっしゃったって、わたしにどうしようもないくらいは御存じじゃありませんか。そりゃ余人じゃなし、できるのならなんとかいたしますけれども、姉妹三人がどうかこうかして....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
まち色を作《な》して叫びぬ。 「あら、まあ! 金さんだよ」 欄干に眠れるはこれ余人ならず、例の乗り合い馬車の馭者《ぎょしゃ》なり。 「どうして今時分こんなとこ....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
一室であった。その家の人々の外に他よりも四、五人逃げて来ておった。七畳の室に二十余人、その間に幼いもの三人ばかりを寝せてしまえば、他の人々はただ膝と膝を突合せて....
取舵」より 著者:泉鏡花
客|等は、先を争いて甲板に顕れたる。 観音丸は船体|小にして、下等室は僅に三十余人を容れて肩摩すべく、甲板は百人を居きて余あるべし。されば船室よりは甲板こそ乗....
三枚続」より 著者:泉鏡花
累ねた、五ツの屋の棟、三ツの蔵、いろは四十七の納屋を構え、番頭小僧、召使、三十有余人を一家に籠めて、信州、飛騨、越後路、甲州筋、諸国の深山|幽谷の鬼を驚かし、魔....
明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
日坪内君はこれを傑作とも思うまいし、また坪内君の劇における功労は何百年来封鎖して余人の近づくを許さなかったランド・オブ・シバイの関門を開いたのであって『桐一葉』....
四十年前」より 著者:内田魯庵
再び世間に顔を出すほどの著述ではないが、ジスレリーの夢が漸く実現された時、その実余人の抄略したものを尾崎行雄自著と頗る御念の入った銘を打って、さも新らしい著述で....
西航日録」より 著者:井上円了
将動煙先発、万歳声埋汽笛声。 (意を決してこの日東京に別れを告げる。ときに学生千余人がわが旅立ちを送ってくれた。汽車の動かんとするに煙がまず噴き上がり、万歳を叫....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
明解纜。港外に出ずるに及び、一鯨波の俄然押し寄せ来たり、食堂の横窓に打ち込み、十余人の貴女、紳士、朝餐最中に頭上より海水を浴びせられ、食堂の一騒動を醸せるも、長....