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余喘
「余喘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余喘の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
おぼえる。ついきのうまでも、まだまだとのみ先を頼むの念は強かったに、今はわが生の
余喘も先の見えるような気がしてならない。 予はもう泣きたくなった。思いきり声を....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
前から、埃及の一神教を本源とする、各種の経典に説かれているので、現在、世界各地に
余喘を保っている所謂、宗教なるものは、こうした科学的の考察を粉飾して、未開の人民....
「真夜中から黎明まで」より 著者:豊島与志雄
続である。遠い汽笛の音、空気の乱れ、何かしら動いてるもののどよめき、一日の生活の
余喘、……それらのものが大気中に漂っている。試みに戸外へ出てみよ。星の光はまだ人....
「魔都」より 著者:久生十蘭
中には無量数百万の生活が犇めき合い、滾《たぎ》り立ち、いま呱々の声を上げ、終臨の
余喘に喘ぐ。ある者は陰険な謀殺を完了し、あるものは脳漿を撒き散らしてこの世の生を....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
ではなかった。新しい時世を生み出そうとする陣痛と、わずかに残骸の威をかりて一日の
余喘《よぜん》を保とうとしている今日の徳川幕府、この衝突を中心に、目下全国いたる....
「国境」より 著者:黒島伝治
立ちあがった。 「止れ! 誰れだ?」 支那人は、抑圧せられ、駆逐せられてなお、
余喘を保っている資本主義的分子や、富農や意識の高まらない女たちをめがけて、贅沢品....
「アイヌ語学」より 著者:知里真志保
イヌ語学の目から見れば、もうその人たちの著書は、欠陥だらけで、満身創痍、辛うじて
余喘を保っているにすぎない程度のものなのであります。それが今だに世界的権威として....