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余地
「余地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
係上、どうしても見ることは出来なかった。ただその大きい目前《もくぜん》の影は疑う
余地のない坊主頭《ぼうずあたま》だった。のみならずしばらく聞き澄ましていても、こ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
疑問になっている動物です。が、それは僕自身が彼らの間に住んでいた以上、少しも疑う
余地はないはずです。ではまたどういう動物かと言えば、頭に短い毛のあるのはもちろん....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
いものでございましょうか?」
「うむ、上を欺いた……」
それは実際直孝には疑う
余地などのないことだった。しかし家康はいつの間《ま》にか人一倍大きい目をしたまま....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
てしまったらしい。
「そこで城山戦死説だが、あの記録にしても、疑いを挟《はさ》む
余地は沢山ある。成程西郷隆盛が明治十年九月二十四日に、城山の戦で、死んだと云う事....
「少年」より 著者:芥川竜之介
《かんしゃく》を起して彼の「浦島太郎」を引き裂《さ》いた後《あと》さえ、この疑う
余地のない代赭色の海だけは信じなかった。……「海」の話はこれだけである。もっとも....
「或る女」より 著者:有島武郎
り。事の仔細《しさい》はもれなく本紙の探知したる所なれども、改悛《かいしゅん》の
余地を与えんため、しばらく発表を見合わせおくべし。もしある期間を過ぎても、両人の....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
なり」といったのは、よく這般《しゃはん》のいわゆる文明を冷評しつくして、ほとんど
余地を残さぬ。 予は今ここに文明の意義と特質を論議せむとする者ではないが、もし....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ら芽生えはじめた。 或る人は私を偽善者ではないかと疑った。どうしてそこに疑いの
余地などがあろう。私は明かに偽善者だ。明かに私は偽善者である。そう言明するのが、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れでみてもこれらの観測された現象に対する以上の説明が正しいということはもはや疑う
余地のないことである。次に起ってくる最も興味のある問題は、太陽が常に天上の同一の....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
の船階子を上って行った。 私も持場について午後の労働を始めた。最も頭脳を用うる
余地のない、而して最も肉体を苦しめる労働はかんかん虫のする労働である。小さなカン....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
と思う。何れにしても現行の法規なるものが、少々時代遅れの気味であることは、疑問の
余地がないらしい。若しそれ地上生活の経験の尊重すべきものであることを強調する、最....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
とか三とか四とかにまだまだ分解することが出来る。歌の調子はまだまだ複雑になり得る
余地がある。昔は何日の間にか五七五、七七と二行に書くことになっていたのを、明治に....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
デーの熱心や能力に対して気の毒ではあるが、王立協会のただ今の財政では、これを増す
余地は絶対にない」ということが書いてある。 しかしその翌年に、下院議員のジョン....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
列には、新聞社の関係の方が取材においでになっているわけですけれども、これは取材の
余地がないほどそうぞうしゅうございますので、このさい静粛にお話をうかがいまして、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
大王はなるべく遠く墺軍を支え、為し得ればこれに一撃を与え、露軍の近迫に際し動作の
余地を有するを目的とし、四月中旬シュワイドニッツ攻略後主力をもってメーレンに侵入....