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余弊
「余弊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余弊の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私は懐疑派だ」より 著者:二葉亭四迷
学が精神的の人物の活動だというが、その「精神」が何となく有り難く見えるのは、その
余弊を受けて居るんで、霊肉一致どころじゃない、よほど霊が勝《まさ》ってる証拠だ。....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
演じ、警吏等の力及ばず、ついに主魁九名の入監を見るに及び、所の者ことごとく合祀の
余弊に懲《こ》り果てたり。わが邦人宗教信仰の念に乏しと口癖に言うも、実際合祀を濫....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
結果は生命と関係のない物質的な塵芥となって、生活の路上に醜く堆積する。その堆積の
余弊は何んであろう。それは誰でも察し得る如く人間そのものの死ではないか。 愛は....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
)の人でいわゆるピタゴラス学派の元祖であるが、この人となるとまたエジプトの学風の
余弊がかなりに強くひびいているようである。彼はサモス(Samos)島に生れたが後....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
揃うのは、分業の便利であって、繁昌すればするほど、それが激しくなり、そうしてその
余弊は仏師の堕落となり、彫刻界の衰退となりました。 で、京都では段々と仏師に名....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
達の次第を攷《かんが》うるに大必要なる古社を滅却し、一夜造りの淫祠を昇格し、その
余弊今に除かれず、大いに人心|蕩乱《とうらん》、気風壊敗を致すの本《もと》となっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
って、しかして後に事を行わんとするの風がある、これ冠履顛倒《かんりてんとう》で、
余弊|済《すく》うべからざるものがある、よろしく人気の根元を問うべし」 と焚きつ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
では不足な理由があるのである。と云うのは、実証的という言葉が往々いって実証主義の
余弊を身に纏っているからと云うばかりではなく、この言葉だけでは、実験が云い表わす....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
、反動の態《てい》に移るなきを期すべからず。ひっきょう、学問と政治と相密着するの
余弊ならん。我が輩がその分離を祈るゆえんなり。 学問と政治と密着せしむるの不利....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
博物局発行の『博物雑誌』第三号でその誤謬を喝破している。けれどもなお今日でもその
余弊から脱し切れずに文学者などは往々橄欖の語を使い、また坊間の英和辞書などでもよ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
となり、人口十人につき一人半は救助を受くる割合となるべし。かく慈善事業の発達せる
余弊として、貧民はみなその日暮らしにて、毫も貯蓄せんと欲するものなしという。午後....
「民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
とができず、愛を以て顧みる者がほとんどなかったのです。 ですがこれは官尊民卑の
余弊とも云いましょうか。富貴なものにのみ美を認める見方は、極めて貧しい習慣に過ぎ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の悲惨事は絶無になりましたが、他方に失業問題や、階級闘争問題が起りまして、文化の
余弊と言われております。今日自殺者の多いこと、これなどもその原因を全部突き止めて....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
され、文学としての位置や本質的な読みかたはむしろ邪道とされていたからだった。その
余弊で、今日といえまだほかの古典研究にくらべると学問的にもいちばん解きほぐされて....