余得[語句情報] »
余得
「余得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余得の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ていることは、内川に有利だった。支那の巡警や、鉄道員や、税関吏は、金持をせびって
余得をせしめるのが昔からの習慣となっている。内川はそれをうまく利用していた。 「....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
められないものにする――というのは、熊一頭を得れば一冬は楽に過せる、山に住む人の
余得として、これより大きいのはない、それを取外《とりはず》した猟師のために、やれ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を好きだった。その小男がもどって来るのは子供たちの喜びだった、いつも思いがけない
余得があったから。彼はいかにも貧乏ではあったが、どうにか工面をして一人一人に土産....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
コンリンザイ別荘を貸してくれないからね。早く死んでくれねえかなア。すると、ほかに
余得もあるからな。花子夫人はまさに絶世の美人だからね。ヘッヘ。両先生、変な顔をし....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
。沼南ばかりじゃない。 沼南は終始一貫清廉を立通した。少くも利権割取を政治家の
余得として一進一退を総て金に換えて怪まない今の政界にあっては沼南は実に鶏群の一鶴....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
積替の必要から起こっていたらしく、その計算はまたあまりにも大まかであったために、
余得は追々に土地の豪族を長養することになった。そうして彼らの勢力が境を越え、軍陣....