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「余所目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

余所目の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
と仰しゃいます。成程惚れたの腫れたのといやらしき真似をいたすのが商売でげすから、余所目《よそめ》には大層もない浮気ものらしく見えましても、これが日々《にち/\》....
幻談」より 著者:幸田露伴
涼しい風のすいすい流れる海上に、片苫《かたとま》を切った舟なんぞ、遠くから見ると余所目《よそめ》から見ても如何《いか》にも涼しいものです。青い空の中へ浮上《うき....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
みせる緋塩瀬《ひしおぜ》の紙入れを開きて、渠はむぞうさに半円銀貨を投げ出だせり。余所目《よそめ》に瞥《み》たる老夫はいたく驚きて面《かお》を背《そむ》けぬ、世話....
かのように」より 著者:森鴎外
。三国時代の英雄は髀《ひ》に肉を生じたのを見て歎《たん》じた。それと同じように、余所目《よそめ》には痩せて血色の悪い秀麿が、自己の力を知覚していて、脳髄が医者の....
こころ」より 著者:夏目漱石
《ほか》のものはよほど前から材料を蒐《あつ》めたり、ノートを溜《た》めたりして、余所目《よそめ》にも忙《いそが》しそうに見えるのに、私だけはまだ何にも手を着けず....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
りき、是さえあるに或午後は又彼れが出行かんとするとき其細君が閾の許まで送り出で、余所目にも羨まるゝほど親げに彼れが首に手を巻きて別れのキスを移しながら「貴方、大....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
喜「へえ、三人ながら意地の悪い奴が揃ってゝ、家来の不調法は主人の不調法だから、余所目に見て二階に居ることはねえ、此処へまいり、成り代って詫をしたら堪忍してくれ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
キチンとした身装をして、手甲かけて、足袋はいて、髪は奇麗に撫でつけて居る。労働が余所目に美しく見られる。日あたり風あたりが暴く、水も荒く、軽い土が耳の中鼻の中ま....
謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
、風吹く時そ乱れざりける」で、事ある時などに国民の足並の綺麗に揃うのは、まことに余所目立派なものであろう。しかしながら当局者はよく記臆せなければならぬ、強制的の....
太十と其犬」より 著者:長塚節
ことなのでそれを格別不足に思うということはなくなって居たのである。女房とすら彼は余所目には打ち解けなかった。朝夕顔を見合わす間柄はそんなに追従いうことの出来ない....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
外国の貯蓄銀行の条例か何ぞに、絞ったら水の出そうな頭を散々悩ませつつ、一枚二枚は余所目《よそめ》を振らず一心に筆を運ぶが、其中《そのうち》に曖昧《あやふや》な処....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
さなしかも古びた茶店の、薄暗い隅なる方に、その挙動も朦朧として、身動をするのが、余所目にはまるで寝返をするようであった。 また寝られてなろうか! 「あれ、お客....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
和されたので三十年、三十一年、三十二年という三年間位はそれほど衰弱が増したように余所目には見えなかった。もっともこれは余所目である。居士にしては止むを得ず病気に....
後の日の童子」より 著者:室生犀星
。 そのうち子供は、珍らしい人と話しているのを、犬なぞがよくするように、わざと余所目をしながら何かの葉っ葉をちぎりちぎり近づいて来た。――笏は、その顔といい、....