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「余技〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

余技の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
う》した後《のち》、こう保吉に止《とど》めを刺していた。――「海軍××学校教官の余技は全然文壇には不必要である」! 半時間もかからずに書いた弔辞は意外の感銘を....
河童」より 著者:芥川竜之介
楽家中、前後に比類のない天才だそうです。僕はクラバックの音楽はもちろん、そのまた余技の抒情《じょじょう》詩にも興味を持っていましたから、大きい弓なりのピアノの音....
新生」より 著者:島崎藤村
絵具で室内のさまでも描いて見ることを慰みにして、巴里へ来た序《ついで》にそうした余技を試みているらしい。壁越しに聞えて来る靴音は、その人に面と対《むか》っている....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
ちや図案家、名家の令嬢、細君、女学生、会社員、あらゆる職を他に持っている人たちの余技として、絵画が普及し隆盛になりつつあるようである。 それは真とに日本文化の....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
師達や図案家、名家の令嬢、妻君、女学生、会社員、あらゆる職を他に持っている人達の余技として、絵画が普及し、隆盛になりつつある様である。 それは真とに日本文化の....
探偵小説とは」より 著者:坂口安吾
して戯作するにふさわしいものだ。探偵作家は、たいがいモトをただせば愛好のあげくの余技から始まるものであるが、名作を発表する、次々と多作を強いられて、職業作家とな....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
は音楽学校をでたんぢやないの?」 「音楽は世すぎ身すぎといふ奴の心臓もので、元々余技ですよ。おはづかしいが、美学をでたんだ。然しそつちは尚さら余技だな。たゞ一介....
梟雄」より 著者:坂口安吾
法や兵器や軍備についても調査と研究を怠らなかった。一文銭の孔に油を通す手錬なぞは余技だった。彼は自分の独特の兵法をあみだした。 それはまったく革命的な独創であ....
無題抄」より 著者:上村松園
私には、どうも絵以外のことですと、どうせ余技にすぎないからという気がして、打ち込んで熱中する気になれない性分があるようで....
戦後新人論」より 著者:坂口安吾
ある。 新人というのは、職業人としての新人として意味があることで、職業人以外は余技にすぎず、朝日新聞が文化賞へ、アマチュア・スポーツを加えているのは滑稽千万の....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
方法しか剰されていない。即ち思い切って、鴎外をしたたかな魂を持ったあそびはもはや余技ではない。気を負うた鴎外の全本領として活かされて来るからである。かの具象的観....
自分と詩との関係」より 著者:高村光太郎
れにどういう意味があるか。以前よく、先輩は私に詩を書くのは止せといった。そういう余技にとられる時間と精力とがあるなら、それだけ彫刻にいそしんで、早く彫刻の第一流....
画道と女性」より 著者:上村松園
とが幾度あったか知れません。全く気が小さくても弱くてもやれない仕事だと思います。余技に対する解釈に就いて 私はたいてい身体は丈夫な方です。これは老母譲りだろう....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
唯今かえりました」と自然、挨拶をするようになりました。 謡曲・鼓・長唄余技としましては、金剛流の謡曲を二十年近くしております。仕舞を舞うこともございま....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
ん事を予期して、稀に異説の発表があっても深く意に介する事なく、余輩にとってむしろ余技とも見るべきこの問題は自然等閑に附されがちであった。しかるに近年防火水道布設....