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余滴
「余滴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余滴の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
らと光るごとに、葉子の頭の上に張り渡された雨よけの帆布《ほぬの》の端《はし》から
余滴《したたり》がぽつりぽつりと葉子の顔を打つたびに、断続して聞こえて来るように....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
かに我等国民学校教員が常に赤貧洗うが如しと雖も、だ、あに必ずしも有力者どもの残肴
余滴にあずからんや、だ。ねえ、菊代さん、そうじゃありませんか。(腕をのばして障子....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
わせて狼狽させ、一泡吹せてやることを思うと、六樹園はその痛快さに、本領である源注
余滴《げんちゅうよてき》や雅言集覧《がげんしゅうらん》の著作狂歌などに対するとは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つ猪口《ちょく》がフラフラと傾いて酒がこぼれそうになる。気がついてグッと呑んで、
余滴《よてき》をたらたらと水の上に落して、それを見るともなく見つめて無言。 「動....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
虫の鳴くような細い音が、愁々乎《しゅうしゅうこ》として響いて来た。始めは雨垂れの
余滴かと思った。が、そうではない。女が泣いているのである。壁に向って忍び泣きなが....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
か真直なものに沿うて行く気がして心は軽く確かになります。 故に涙は反省の機会、
余滴です。人生航路の方向の検査水準です。この貴い価値を使わねばなりません。 「生....