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余瀝
「余瀝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余瀝の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
可笑しい話をした。それは允成が公退した跡になると、女中たちが争ってその茶碗の底の
余瀝を指に承けて舐るので、自分も舐ったというのである。 しかし允成は謹厳な人で....
「白くれない」より 著者:夢野久作
。金銀小判大判。新鋳の南鐐銀のたぐひ花模様絨氈の床上に散乱して、さながらに牛馬の
余瀝の如し。 そが中に突立ちたる奈美女は七宝の大香炉に白檀の一塊を投じ、香雲|....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
う。そして皆々の面は曇ったことだろう。氏郷は、ハハハ、飲まねば卑怯《ひきょう》、
余瀝《よれき》も余さず飲んだわやい、と答える。家来達はギェーッと今更ながら驚き危....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けないで喋る気遣いはありません。そうしてその間に何かうまい汁がありとすれば、その
余瀝《よれき》を啜《すす》って、皿まで噛《かじ》ろうという先生だから、お松に尋ね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
鼓もケシ飛んで、ミルクであり、摺粉《すりこ》であるべき徳利はくわえ出されて、その
余瀝《よれき》が餓えたる犬の貪《むさぼ》り吸うところとなりました。
幼な児は、....
「夕凪と夕風」より 著者:寺田寅彦
の十二時にもならなければなかなか陸風がそよぎはじめない。室内の燈火が庭樹の打水の
余瀝に映っているのが少しも動かない。そういう晩には空の星の光までじっとして瞬きを....