余炎[語句情報] »
余炎
「余炎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余炎の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に提げて、霜を※んで流れに行く。顔を洗う。腰膚ぬいで冷水|摩擦をやる。日露戦争の
余炎がまださめぬ頃で、面籠手かついで朝稽古から帰って来る村の若者が「冷たいでしょ....
「転機」より 著者:伊藤野枝
いのと、その洪水のたびに、やはり鉱毒が濁水と一緒に流れ込んでくるので、鉱毒問題の
余炎がとかく上りやすいので、政府ではその禍根を絶つことに腐心した。 水害の原因....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人連は、ムクに助けられて再び一蓮寺の境内へ帰って来た時に火事は鎮まったけれども、
余炎はまだ盛んなものでした。火消も来たり役人も来たりして騒動はスッカリ納まってし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
やろう。本心に立ちかえりさえすれば神尾のことだから、相当要領よく遁《のが》れて、
余炎《ほとぼり》を抜くまでどこぞに忍ばせているだろう。
そこで、悪食連も、いい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
意を表しているのであるが、なお若かった日すらも恨めしい所のあった源氏の心のいわば
余炎ほどの愛を受けようとは思わない、もう二人に友人以上の交渉があってはならないと....
「高原」より 著者:寺田寅彦
ある。 上田の町を歩いている頃は高原の太陽が町のアスファルトに照り付けて、その
余炎で町中はまるで蒸されるように暑く、いかにも夏祭りに相応しい天気であった。帰り....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の薪を用意しなければいけなかった。まずそれまでは、偶然に燃え出す一時の火、火災の
余炎があるばかりで、それはただ輝いた暫時《ざんじ》の光を発しては、そのまま燃料が....
「雪の宿り」より 著者:神西清
で一条の大路に小屋を掛けて住居しておりましたのが、この桃花坊の火、また小笠原殿の
余炎に懸って片端より焼け上り、妻子の手を引き財物を背に負うて、行方も知らず右往左....
「地上」より 著者:島田清次郎
あとになっても辛抱してくれろな」 村近くで、虫の鳴く音がしきりにしていた。昼の
余炎はまださめ切らなかったが、野面をわたる風は寒かった。お光も容一郎もまた俊太郎....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
したるものもあり。 また百姓の輩は地租改正のために竹槍席旗の暴動を醸したるその
余炎未だ収まらず、況んや現に政府の顕官中にも竊に不平士族と気脈を通じて、蕭牆の辺....
「石段に鉄管」より 著者:小川未明
に、町の灯が、見えてきました。 もう、日は、暮れてしまって、西の空には一|日の
余炎もうすれてしまいました。そして、ものの蔭や、建物の蔭に、闇が暈取っていました....