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余煙
「余煙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余煙の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
寒の激しさに醜く脹れ上っていた。遙に谷を隔てた火葬場の煙突からは終夜死人を焼いた
余煙であろう、微に黄ぽい重そうな煙を上げていた。墓地には殆ど人影はなかった。 ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、女が眼を円くして見送る。囂々、機関が鳴る。弗々々、屁の如く放り散らすガソリンの
余煙。後には塵も雲と立とうが、車上の者には何でもない。あたり構わず突進する現代精....
「雪の宿り」より 著者:神西清
倉にも火の粉や余燼が落下いたしましたが、それは難なく消しとめ、やがて薄らぎそめた
余煙の中で、松王さまもわたくしどもも御文庫の無事を喜び合ったことでございます。松....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
した万吉の足へ、カッと眼をいからせて、 「ちぇッ、なにをしやがる!」 と、まだ
余煙のからんでいる短銃をイヤというほど叩きつけた。 と――今の爆音に気がついて....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
をくずすなく刻々と更ける夜をにらまえていた。 やがてのこと、砦は降る落葉の下に
余煙も消えて、ひそまり返った。と、たちまち、山下にとどろくものがあった。武者声で....