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「余熱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

余熱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
\……鳥渡《ちょっと》手水《ちょうず》を致そうと存じまして」 母「フーム、少し余熱《ほとぼり》が冷《さめ》ると直《すぐ》に持った病が出ます、二の腕の刺青《ほり....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
、もし旦那はんでも来といやしたら、どないおしやす」母親はまださっきの驚きと激怒の余熱の残っているように、くどくどと一つことを繰り返していっている。私は、もう母親....
足迹」より 著者:徳田秋声
片を被けた芳村の小机の側に置かれて、女の脱棄てが、外から帰るとすぐ暖まれるように余熱のする土の安火にかけてあった。 「私冷え性なものですから、安火がなくちゃどう....
」より 著者:徳田秋声
こらが薄暗くなっているのに気がつくと、笹村はマッチを摺ってランプを点けて見たが、余熱のまだ冷めない部屋は、息苦しいほど暑かった。急にまた先生の方のことが気になっ....
」より 著者:徳田秋声
し暑い部屋の板戸をそっとあけて、熱った顔を夜風にあてたりした。部屋にはまだ西日の余熱が籠っていて、病人のようないらいらしい一ト夜が、寝苦しくてしかたがなかった。....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
分にも胸に燃す修羅苦羅《しゅらくら》の火の手が盛《さかん》なので、暫らく散歩して余熱《ほとぼり》を冷ます積りで。 「シカシ考えて見ればお勢も恨みだ」 ト文三が....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ろう。 此満目傷心の惨状に感慨禁ずる能わず、暫らくは焼けた材木の上を飛び/\、余熱に煽られつゝ彼方此方に佇立低徊していた。其中に面会者があると云って呼びに来た....
夏の花」より 著者:原民喜
足を進めて行く。それに足許《あしもと》は、破片といわず屍《しかばね》といわずまだ余熱を燻《くすぶ》らしていて、恐しく嶮悪《けんあく》であった。常盤橋《ときわばし....
日蔭の街」より 著者:松本泰
ボンド街の酒場から出てきた三人連のひとりや、それ等の無気味な尾行者? を思出して余熱《ほとぼり》の冷めるまで引籠っている事にした。 土曜日の朝、柏から手紙がき....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
熱度は前年の君に異ならず。けだしこの熱は我々の身において独発に非ず。その実は君の余熱に感じて伝染したるものというも可なり云々と、利口に述べ立てられたらば、長者の....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
惣次の内輪話を資本に、頭を剃って夢物語に箔を付け、女房の一筆と高飛の路銀を持って余熱《ほとぼり》の冷める両三日をと次郎兵衛店に寝に来たところを、その坊主頭と旦那....
四十年前」より 著者:内田魯庵
善男善女が刃引の鈍刀に脅かされて、ホテルのダンス場は一時暫らく閉鎖された。今では余熱が冷めてホテルのダンス場も何カ月ぶりかで再び開かれたが、さしもに流行したダン....
若鮎の塩焼き」より 著者:北大路魯山人
ら、さっと軽くするのがよい。焼くには、火回りがもっとも大切だ。腹部を強く尾の方は余熱で焼けるくらいにしないと、とかく尾鰭をさっと焼いて、せっかくの姿を台なしにす....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
なり。しかるに、今日にありては血管中の熱はすでに放散して、ただわずかに皮膚の上に余熱を存するのみ。婦人は美服を新調して日曜を待ち、男子は美人を捜索して会堂に入り....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
水をいれて運ぶと好一対なり。 繋船木曜島南湾、路入濠洲最北関、赤日炎風涼何在、只余熱帯樹陰山。 (船を木曜島の南の湾につなぎとめ、海路は豪州最北端に入った。照り....