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余生
「余生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
だ一つ御耳に入れて置きたいのは、当日限り私は狂人と云う名前を負わされて、憐むべき
余生《よせい》を送らなければならなくなった事でございます。果して私が狂人かどうか....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
の愛にも惹《ひ》かされる。九州の土地でたとえ職工をしてでも自活し、娘を引き取って
余生を暮したい。蝶子にも重々気の毒だが、よろしく伝えてくれ。蝶子もまだ若いからこ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
(〔Eubo:a〕)のカルキス(Chalkis)に逃れることを得て、そこに流謫の
余生を送り六三歳で死んだ(紀元前三二二年)。神々の存在を否認したディアゴラス(D....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
して歴史家に讃美されている。復讐の同盟に加わることを避けて、先君の追福と陰徳とに
余生を送った大野九郎兵衛は、不忠なる元禄武士の一人として浄瑠璃の作者にまで筆誅さ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
まえに見る、明石の丘に一軒の家を建てた。そして、いまでは草花を作りながら、静かに
余生を送っている。その戸倉老人の何よりの楽しみは、土曜から日曜へかけて、泊りがけ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
たとき、彼の歓楽は永劫に終りをつげてしまった。彼は一滴の酒も口にしないのに、その
余生をまったく酔いどれのように送った。そうして、酒がもたらすところの楽しい妄想の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、又跡をつぐべき子供とてもない、よくよくの独り身、兎も角も鎌倉へ戻って、心静かに
余生を送るのがよいと思うが……。』いろいろ言葉を尽してすすめられたのでありますが....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
見るまきの様は正視の出来ないものだ。刑罰か――死ぬに死ねない、惨苦を味わいながら
余生を送らねばならぬのは……。 末起も、それについて折ふし考えさせられた。 (....
「勝負師」より 著者:織田作之助
。故人となってしまった人というならまだしも、七十五歳の高齢とはいえ今なお安らかな
余生を送っている人を、その人と一面識もない私が六年前の古い新聞の観戦記事の切り抜....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
し、たとい身に墨染の衣を纒わざるも心は全く浮世の栄辱を外にして片山里に引籠り静に
余生を送るの決断に出でたらば、世間においても真実、天下の為めに一身を犠牲にしたる....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
伎倆を認められながらも、単に時代おくれの、小芝居廻りの老いたる女役者として、その
余生を送るに過ぎなかった。帝国劇場が開かれて、そこに女優という新しい名のおんなた....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
して歴史家に讃美されている。復讐の同盟に加わることを避けて、先君の追福と陰徳とに
余生を送った大野九郎兵衛は、不忠なる元禄武士の一人として浄瑠璃の作者にまで筆誅さ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
わずに済まされるような道はとうてい見つかりません。ただいまとなっては隠遁者として
余生を送るか、なにかそうした私生活の保証をいただいて退くほかはありません。でもお....
「西航日録」より 著者:井上円了
の詩に曰く、 日本井上円了博士遠訪于哲孟雄金剛宝土贈詩和之 万死奔亡救国危、
余生身世入須弥、何当空谷来鸞嘯、了尽人天更不悲。康有為 (日本の井上円了博士は遠....
「貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
あります。そして、夭折した二児のことを考えるたびに、せめて、正しく生きる為には、
余生をいかなる苛竦な鞭で打たるゝとも辞さないと思うのです。 こうした苦しみは、....