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余病
「余病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
余病の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「足迹」より 著者:徳田秋声
少し血脚気の気味もあるようだし、産褥熱の出たのも気にくわぬが、これでどうかこうか
余病さえ惹き起さなければ、大して心配することもなさそうだと言って局部へ手当てを施....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ら落ちた人や、盲腸炎の人や、なか/\種々な種類の患者が居ります。
脊骨が折れても
余病さえ起さねば大丈夫で御座います。一人は肺炎を起して死にましたが、後の二人は丈....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ない。あの穴埋め水責めの危機の際に、悪い水を飲んだらしいのです。衰弱したからだに
余病を発して、あれからずっと、この川網六兵衛の家に寝たッきりなのだ。 看病する....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
首尾よく済だのでヤレ嬉しやという間もなく、父親は不図感染した風邪《ふうじゃ》から
余病を引出し、年比《としごろ》の心労も手伝てドット床に就《つ》く。薬餌《やくじ》....
「三郎爺」より 著者:宮本百合子
むしたくらいのことほか、出来はしなかったのだろうけれども、そこは御方便なもので、
余病も起さず、赤坊の軟い骨はどうにか納まって歩ける頃には、別に不自由もないほどに....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
を癒すために協力するのが人間らしい仕業であろう。或は、その病気を一層重くさせ一層
余病を併発させ、命を危くさせようとあらゆる手段を尽すのが、人道の行為であろうか。....
「源氏物語」より 著者:紫式部
。そしていろいろな医療や祈祷《きとう》をしたせいでか、二十日ほど重態だったあとに
余病も起こらないで、源氏の病気は次第に回復していくように見えた。行触《ゆきぶ》れ....
「生あらば」より 著者:豊島与志雄
たんでは。」 「いやそのことなら御安心なすっていいでしょう。私の診《み》た所では
余病を併発した徴候はありません。勿論これからのことは分りませんが。唯少し腹部と便....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
、毛細管支炎|喘息《ぜんそく》腐敗食による大腸|加太児《かたる》という、不思議な
余病を併発したのによっても明白だというものである。これにはタヌも色を失い改めて医....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ほうと啼くのであった。 夏を越えると、秋ぐちから、師の勘兵衛の病は篤くなった。
余病が出たのである。 (近い、近い) と、梟の声が、師の死期を知らせるように、....